三船敏郎主演、日本の映画である。
平安時代末期。
朽ちかけた羅生門に、雨宿りのため、一人の下人が駆け込んできた。
羅生門には、杣売りと旅法師が雨宿りをしていた。
二人はしきりに、「わからない」と繰り返していた。
不思議に思った下人は、事情を聞いた。
二人は、森で起きた殺人事件の裁きで、証言をした帰りだった。
その裁きで証言をした者たちの言うことが、全部食い違っていたのだった。
三日前、杣売りが薪を集めに森に入ったとき、武士・金沢武弘の死体を見つけて、検非違使に届けた。
旅の途中で金沢と出会った旅法師は、金沢は妻の真砂を馬に乗せていたと証言した。
盗賊の多襄丸が捕まった。
多襄丸は、金沢を山奥へ連れ出して縄で縛った。
その後に、真砂を犯し、金沢を殺したと証言した。
真砂に闘って生き残った方の妻になると言われ、金沢と決闘して殺したのだと、多襄丸は得意げに話した。
また、真砂は、逃げてしまったのだと。
次に、真砂が証言した。
彼女を犯した後、多襄丸は逃げた。
縛られた夫が蔑んだ目で自分を見るのに耐えられず、短刀で刺し殺したと証言した。
次に巫女が、金沢の霊を憑依させて、証言を始めた。
この作品は、大東亜戦争後、わずか五年後に制作されたものである。
この作品で用いられた多視点の描写は、「羅生門効果」と呼ばれ、映画手法のの一つとなった。
多襄丸と金沢の決闘は、泥臭くて美しくない。
それゆえ、リアリティがある。