福原遥主演、日本の映画である。
高校三年生の加納百合は、成績は良いが就職を希望している。
父を早くに亡くし、母と二人、貧しい暮らしをしていた。
三者面談、仕事の都合で遅れてきた母に、百合は「魚臭い」と嫌味をぶつけた。
父は溺れている少年を助けるために水に飛び込み、亡くなったのだった。
面談の日の夜、百合は、自分達が貧しいのは身勝手な父親のせいだと母に食ってかかり、家を飛び出した。
彼女は雨の中、近くにあった防空壕跡で一夜を過ごした。
落雷。
目覚めると、田園風景が広がっていた。
訳がわからないまま彷徨っているうちに、彼女は倒れてしまった。
すると、青年が介抱してくれた。
お腹をすかしている様子に気づいた彼は、彼女を鶴屋食堂に連れて行った。
女将のツルは、快く彼女を迎え、ご飯を食べさせた。
青年は佐久間彰という名で、特攻に志願していた。
ふと百合がテーブルに置かれていた新聞を見ると、昭和20年6月14日の日付だ。
いつの新聞ですかと尋ねると、ツルは今日のだと答えた。
混乱した百合は駆け出し、防空壕に戻った。
もう一度眠ると元の世界に帰れると思ったのだ。
目が覚めても、何も変わっていなかった。
百合はツルの好意で、住み込みで働かせてもらえることになった。
彰は百合を元気づけようと、百合の花が咲き誇る丘に連れて行った。
この作品は、いわゆるタイムスリップものである。
主人公の言動に違和感を感じるシーンがいくつもあるが、全体としては、まとまっている。
佐久間彰を演じている水上恒司の表情が、素晴らしい。