カナダの映画である。
モントリオールのオークション会場。
有名なバイオリン職人ニコロ・ブソッティが製作した、通称「レッド・バイオリン」が売りに出された。
時間が1681年に遡る。
北イタリア、クレモナ。
ニコロは優秀なバイオリン製作者であり、弟子には厳しかった。
彼の妻アンナが臨月を迎えていて、ニコロは生まれてくる子供のためにバイオリンを製作していた。
初産であるアンナは、高齢であることを心配していた。
彼女は、使用人の老婆にタロットカードで占わせた。
カードを引いた老婆は、「この子は長い旅をすることになる」と、予言した。
子供は死産であり、アンナも命を落とした。
あまりのショックで呆然としていたニコロは、妻の髪の毛で刷毛を作り、ニスに妻の血を混ぜて、バイオリンに塗った。
バイオリンを完成させた後、彼は自ら命を絶った。
100年後。
そのバイオリンは、オーストリア・ウイーンの修道院が運営する孤児院にあった。
天才少年ガスパーは、バイオリンを巧みに演奏した。
ウイーンの音楽教師が彼の才能を見出し、自宅に住まわせて英才教育を行った。
ガスパーは、パトロンを前にしたオーディションの最中、心臓が止まった。
棺に入れられたバイオリンは、埋められる前に持ち出された。
この作品は、一つのバイオリンを手にした人々の運命を描いたものだ。
よくある「呪われた〇〇」みたいなものだ。
ガスパー少年役のクリストフ・コンツは、本当の天才バイオリニストである。