日本の映画である。
時代劇映画が全盛期の頃。
銀幕スターの倉岡銀四郎が、主人公の土方歳三を演じている。
銀四郎は「銀ちゃん」と呼ばれて、みんなに慕われているが、態度がでかく、大部屋の役者を従えている。
大部屋のヤスは、銀ちゃんが大好きだ。
偉そうに言われながらも、銀ちゃんに憧れ、崇拝し、いろいろと世話を焼いている。
ある日、銀ちゃんが、女優の小夏を連れてヤスのアパートにやってきた。
小夏は銀ちゃんの子供を身籠っていて、このままではスキャンダルになる。
それは困る銀ちゃんは、小夏をヤスに押し付けて結婚させることにしたのだった。
小夏に憧れていたヤスは、お腹の子が銀ちゃんの子だと承知の上で、結婚することにした。
妊娠中毒症で小夏が入院している間、ヤスは、お金を稼ぐために、危険なスタントを次々に引き受けた。
小夏が退院してアパートに戻ると、新品の家財道具が揃っていた。
小夏は、ヤスに惹かれはじめ、本当に結婚したいと思うようになった。
撮影所では、クライマックスシーンである「階段落ち」の撮影が迫っていた。
それは、土方に切られた浪士が大階段を転げ落ちる、とても危険なシーンだった。
べらんめえ調の喋り、打たれ弱いくせに虚勢を張る銀ちゃんが、なんだか愛おしい作品だ。