クリント・イーストウッド監督、渡辺謙主演、アメリカの映画である。
2005年、小笠原諸島硫黄島に来た調査団が、何かを発見し、慎重に掘り出そうとした。
1944年6月。
大日本帝国連合艦隊は、ほぼ壊滅し、護衛の戦闘機も無い硫黄島。
上陸するアメリカ軍を水際で食い止めるため、西郷昇一等兵らは、毎日、海岸に塹壕を掘らされていた。
きつい仕事に、つい愚痴を言ってしまった西郷は、聞きつけた上官に鞭打ちの罰を受けた。
この日、栗林陸軍中将が小笠原兵団長として赴任してきた。
栗林は、西郷への鞭打ちをやめさせた。
そして、塹壕で戦うことは無駄だと、作業を中止させた。
栗林はアメリカに留学していたことがあり、アメリカの国力を熟知していた。
彼は日本の敗戦を確信していたが、1日でも長くアメリカ軍を食い止めたかった。
作戦司令室に入った栗林は、海軍の伊藤大尉に連携を求めたが、拒否された。
当時、陸軍と海軍の仲は最悪だったのだ。
栗林は、旧知の西竹一中佐と再会した。
栗林は、徹底的な防御作戦を指示した。
そして兵たちに、トンネル状に繋がった洞窟を掘らせた。
生きて帰ることが大事たと説く栗林に、西郷たちは賛同したが、反発する者もいた。
1945年2月16日、アメリカの大艦隊が現れ、艦砲射撃が始まった。
19日、アメリカ軍の上陸が始まった。
この後の戦闘は、36日間にも渡った。
この作品は、アメリカが製作したものだが、日本や日本人に対する偏見は無い。
脚本は、よく練られている。
硫黄島は、現代では「いおうとう」に統一されているが、ここでは「いおうじま」と読む。