探検隊の隊長ウラジミール・アルセーニエフは、久しぶりに親友デルス・ウザーラが眠る土地を訪れた。
しかし、そこは開発が進んでいて、目印となる木も抜かれてしまっていた。
1902年。
ロシアの軍人アルセーニエフは、部下6名とともに、ウスリー地方の調査に来た。
夜、森でキャンプを貼っていると、男が一人、迷い込んできた。
彼は少数民族・ゴリド族の老人で、デルス・ウザーラと名乗った。
デルスは、片言のロシア語で焚き火に話しかけた。
彼の家族は天然痘で亡くなり、感染を防ぐために家を燃やしてしまった。
その後デルスは、森で猟をしながら暮らしている。
アルセーニエフは、土地勘のある彼に道案内を頼んだ。
彼は返事をしなかったが、翌朝、黙って先頭に立った。
デルスには自然に関する豊富な知識と洞察力があり、大いに役に立った。
また、銃の腕も良く、瓶を吊るした紐を撃ち抜いた。
それを見て喜んだ隊員が彼にウオッカを瓶ごとあげたが、彼はそれを焚き火に注いだ。
ある時、アルセーニエフとデルスが隊員たちとはぐれ、吹雪に見舞われた。
デルスの知識でアルセーニエフは、命を救われた。
探検が終わり、一行はデルスと別れて、ウラジオストックに帰った。
5年後。
アルセーニエフは、再び、ウスリー地方を訪れた。
彼はデルスと再会し、また案内を頼んだ。
デルスは体は健康だったが、目がひどく衰えていた。
この作品は、実話に基づいている。
素朴なデルスに、親近感を覚える。