1947年9月。
ジョン・ナッシュは、奨学金を得て、ブリンストン大学大学院の数学科に入学した。
天才肌で人付き合いが苦手な彼だが、ルームメイトのチャールズ・ハーマンとは気が合い、何でも話せた。
ナッシュには、当時、最高の軍研究機関であったMITウイラー研究所に進みたかった。
そのためには、授業よりも自分で研究した方がいいと考え、実際にそうしていた。
それで成績が上がらず、教授から、このままでは推薦できないと言われてしまった。
ナッシュはチャールズの助言で、論文のヒントを探そうと、パブに出かけていった。
そこで、彼をからかおうとしてきた知人の言葉から、突然ひらめきを受けた。
ナッシュは急いで帰宅し、一気に論文を仕上げた。
「ナッシュ均衡」という論文で、教授たちは内容に驚嘆した。
ナッシュは、見事ウイラー研究所の推薦を得た。
5年後。
主任アナリストに就いていたナッシュは、ソ連の暗号解読に取り組んだ。
その頃ソ連は、アメリカ国内で、原爆を使用しての大量殺戮を計画していた。
この作品の主人公ジョン・ナッシュは、実在の人物で、ノーベル賞を受賞している。