西田敏行主演、日本の映画である。
南極大陸横断に向けて、冒険家・植村直己はグリーンランドでトレーニングを積んでいた。
一旦帰国。
その時、豆腐屋の娘・野崎公子に出逢って一目惚れした。
直己は公子に自著を贈った。
公子は、その本を読みはじめた。
直己は農家の次男に生まれ、明治大学に進学した。
そこで、山岳部に入る。
体力には自信があったが、初心者の直己は、皆についていくのがやっとだった。
経験豊富な同級生の小川正夫を目標に、直己はひたすらトレーニングを積んだ。
そのせいもあり、成績不振で就職活動がうまくいかず、卒業後はわずか四万円を手にアメリカに渡った。
そこで働いて貯めた千ドルを持ってフランスに渡った直己は、モンブランの単独登頂に挑んだが、失敗した。
その後、地元のスキー場で雇ってもらう。
直己に、小川から手紙が来た。
ヒマラヤの「ゴジュバ・カン」登頂に加わらないかとの誘いだった。
直己は、ネパールに飛んだ。
第一次アタック隊が疲労で失敗し、元気だった直己が第二次アタック隊に選ばれた。
直己は、登頂に成功した。
しかし、金も出さず、準備の手伝いもしていなかった負い目から、直己は帰国せずにフランスに戻った。
その後、モンブラン、キリマンジャロ、アコンカグアの単独登頂に成功した。
日本山岳会が初めてエベレストに挑戦することになり、直己もメンバーに選ばれた。
そして、日本人初のエベレスト登頂に成功した。
さらにマッキンリー単独登頂に成功し、世界初の五大陸最高峰制覇を成し遂げた。
直己は世界一流の登山家で結成された、エベレスト国際登山隊の一員に選ばれた。
その時の体験で、団体での登山に懲りた直己は、単独で極地を目指す方向に路線を変えた。
そして、公子にプロポーズした。
この作品は、事実に基づいている。
冬山や北極の厳しさが、ひしひしと伝わってくる。
ちっぽけな人生を歩んでいる人は、植村直己と自分を比較して、自己嫌悪に陥るかもしれない。
秀作だ。