藤田まこと主演、日本の時代劇映画である。
天保年間。
八丁堀同心、中村主水は、昼行灯と呼ばれるほどうだつの上がらない男だが、裏では「仕事人」と呼ばれる凄腕の暗殺者だ。
このところ老いを感じる主水は、情婦のおけいを満足させられない。
家では、母・せんと妻・りつが、主水のヘソクリを見つけてほくそ笑んでいた。
その頃大奥では、上﨟年寄り姉小路と、将軍世継ぎ家定の生母であるお美津の方が、熾烈な権力争いをしていた。
家定には、生まれてすぐに捨てられた双子の弟がいる。
姉小路は元老中の水野忠邦と組んで、この弟を探し出して家定と取り替え、権力を奪う算段だ。
それで、葛飾北斎に家定の似顔絵を書かせ、証拠隠滅のため北斎と、彫り師、刷り師を殺害した。
北斎と交流のあった主水は、北斎の娘・お栄から犯人探しを依頼された。
お美津の方は、御下御掃除人「葛西衆」を使って、弟を殺害しようと企てた。
そしてそれを、高額の報酬で仕事人に依頼した。
主水、飾り職人の秀、三味線屋の勇次は、その依頼は「恨みを晴らす」ものではないとして、断った。
ある日、主水は三味線弾きのお夢と、踊り子の捨蔵にであった。
捨蔵は、家定にそっくりであり、双子の弟だった。
また、お夢は、かつての仕事人仲間お千代だった。
ただ、彼女は記憶を失ったいた。
また、捨蔵は、実際は女だった。
この作品は、テレビシリーズと趣が違い、中村主水は常にシリアスだ。
ラストは、納得し難い。