市川雷蔵主演、日本の時代劇映画である。
冒頭、若い女性が「お家のため」と別の女性を刺殺した。
彼女は、すぐに捕まり、打首に処せられた。
天保3年3月。
夜、下級武士・高倉信右衛門の家に、密かに赤子が連れてこられた。
その子は高倉家の養子となり、信吾と名付けられた。
それから二十余年が経ち、信吾は立派に成長した。
彼は、父の許しを得て旅に出た。
3年後、諸国を見てまわり逞しくなった信吾が、帰ってきた。
しばらくして、水戸の剣客・庄司嘉兵衞が藩に招かれた。
藩主・牧野遠江守の御前で、藩の若手が彼と立ち会ったが、誰も勝負にならなかった。
最後に牧野は、高倉信吾を指名した。
信吾と庄司は、真剣で立ち会った。
庄司は、「三絃の構え」の信吾を前にして一歩も踏み込むことができず、信吾が勝利した。
隣に住む池辺義十郎は、信吾の妹・芳尾に恋していて、父・義一郎が信右衛門に彼女を嫁に望んだ。
しかし、義一郎は断られた。
その腹いせに義一郎は、信吾は実の子ではないと、藩内で言いふらした。
それを藩主に咎められた義一郎は、義十郎とともに高倉家に押し入り、信右衛門と芳尾を殺害して逃走した。
知らせを受けて駆けつけた信吾に、まだ息のあった信右衛門は、真実を告げた。
信吾は、池辺親子を斬り伏せ、旅立った。
あっさりとした作品だ。