中井貴一主演、日本の時代劇映画である。
天正9年、織田信長は伊賀の里を焼き討ちにして、一族を滅ぼした。
その後、天下は豊臣秀吉のものになった。
しかし、嫡男鶴松を亡くして狼狽える秀吉を見て、徳川家康は秀吉暗殺を企てた。
そして、家来の服部半蔵に申し渡した。
伊賀虐殺から10年。
一族の生き残り葛籠重蔵は、一人、山に籠っていた。
そこに、かつての師匠、下柘植次郎左衛門が訪ねてきた。
下柘植は重蔵に、堺の豪商、今井宗久からの依頼を持ってきたのだった。
それは、豊臣秀吉の暗殺。
師匠に説得された重蔵は、山を降りた。
重蔵は、京へ向かう途中の宿で小萩という美女と出会い、一夜を共にした。
宗久を訪ねていくと、そこに小萩がいた。
小萩は、宗久の養女だという。
京の街には伊賀の残党が多数潜伏していて、秀吉の首を狙っていた。
残党の一人・風間五平は、前田玄以に仕えていて、京都奉行所盗賊改めの職に就いている。
小萩は、秀吉がいる伏見城の屋根の上に、重蔵と風間を呼び出した。
二人の腕を試すためだ。
伊賀を裏切った形の風間を、重蔵は斬らずに逃した。
司馬遼太郎の原作である。
重蔵が丁寧に描かれていて、感情移入をしてしまう。
全体を通じて常に不安感が漂っているのも、いい。