西ドイツの映画である。
アメリカ南西部のモハーヴェ砂漠を貫く幹線道路。
西ドイツ人から来たムンシュテットナー夫妻は、レンタカーでラスベカスへ向かっていた。
ところが、夫婦喧嘩の挙句、妻のジャスミンがスーツケースを持って飛び出してしまった。
道路を歩き続けた彼女は、幹線沿いにポツンとあるダイナー兼、ガソリンスタンド兼、モーテル「バグダッド・カフェ」にたどり着いた。
店では、女主人ブレンダが、働かない夫サルを怒鳴りつけて追い出したところだった。
ブレンダは、一人徒歩でやってきたジャスミンを怪しむが、客として受け入れた。
モーテルの一室に入ったジャスミンがスーツケースを開けると、中身は夫の物ばかりだった。
詰める時に間違えたのだ。
部屋の掃除に入ったブレンダが、広げられた男物の服などを見て不審に思い、保安官を読んで調べさせた。
ジャスミンのビザも航空券も、本物だった。
ジャスミンは、行くあても無いので、しばらくここに滞在することにした。
ある日、ブレンダが留守の間に、ジャスミンは店の大掃除をした。
そして、ブレンダが大切にしているものを捨ててしまう。
さらに、ぐうたらな息子サロモや娘フェリスらとも仲良くなっていくのを見て、ブレンダは、ますます不機嫌になっていく。
そして、サロモの赤ちゃんをあやしているジャスミンに、ブレンダは「自分の子供と遊びな」と、冷たく言い放った。
「子供はいないの」と、寂しそうにつぶやくジャスミンに、ブレンダは謝罪した。
その時を境に、ブレンダはジャスミンを受け入れ始めた。
ジャスミンは、夫の荷物の中にあった手品の道具で遊んでいるうちに、上達していた。
彼女が手品を客の前で披露すると、受けた。
それが評判になって、大勢の客が押し寄せるようになり、店は大繁盛だ。
しかし、保安官が訪れ、ビザの期限切れを通告して、ジャスミンは西ドイツに帰ることになった。
この作品の雰囲気が、とてもいい。
何度も観たくなる映画だ。