日本のアニメーション映画である。
高校生の夏目貴志は、幼い頃から妖 ( あやかし ) すなわち妖怪が見えた。
彼は両親を早くに亡くし、親戚をたらい回しにされて育った。
それで、何度も転校した。
その後、ある年の法事で出会った、藤原滋・塔子夫妻に引き取られた。
子供のいない二人は、彼を実の子のように大切にしている。
ある日、下校の途中、貴志は黒い影につけられているのを感じた。
それをまこうとしたが、蜘蛛のような妖怪に捕まり、押さえつけられてしまった。
彼を助けたのが、ニャンコ先生と、先程の黒い影だった。
ニャンコ先生は、かつて貴志が封印を解いた大妖怪「斑 ( まだら ) 」である。
普段は太った猫の形態をとっていて、貴志を守っている。
黒い影は、「もんもんぼう」という妖怪で、貴志の祖母レイコに奪われた名前を返して欲しくて、五丁町からやってきたという。
既に他界しているレイコは霊能力があって、若い頃、妖怪に勝負を挑んでは打ち負かし、紙に名前を書かせた。
その紙を閉じたのが「友人帳」だ。
名前を書くというのは、決して逆らえないという契約だ。
レイコと同じ霊力を持つ貴志は、儀式を行って、もんもんぼうに名前を返した。
その際、レイコが名前を手に入れたときの経緯が、浮かんできた。
レイコがもんもんぼうを追いかけているとき、一人の少女が鈴を落とした。
それを拾ったレイコが手渡そうとすると、その子は怖がって逃げてしまった。
レイコは、このように他人に避けられる体験を、何度もしていた。
翌日、貴志は塔子にお使いを頼まれて、五丁町に来た。
そこで偶然、かつてレイコが鈴を拾ってあげた少女、今は初老の津村容莉枝に出会った。
貴志には、レイコの面影があったのだ。
容莉枝は、貴志を家に迎えた。
彼女は切り絵作家をしている。
そして彼女は、息子の椋雄と暮らしている。
帰り道、貴志は火の見櫓の上にいる妖怪を目にした。
この作品は、テレビシリーズの劇場版である。
そちらを観ていなくても、理解できて楽しめる。
ほのぼのとした作品で、観終わったあと、良い気分が続く。
絵が美しい。
吹き替えは、全て、プロの声優だ。