メル・ギブソン監督、オーストラリア、アメリカ合作の映画である。
戦場で負傷した若者が、担架で運ばれていく。
仲間が、「デズモンド、死ぬな」 と、声をかけた。
デズモンドは、昔を思い出した。
16年前。
バージニア州の田舎町で、デズモンドと弟のハロルドは、野山を駆け回り、すくすくと育った。
父は、第一次世界大戦から帰ってきて以来、酒びたりの日々を過ごしている。
ある日、兄弟喧嘩の最中に、デズモンドはハロルドをレンガで殴ってしまった。
弟は、危うく死ぬところだった。
母から、「殺すのは最大の罪だ」 と諭され、目の前の壁にはモーゼの十戒が貼られていた。
「汝、殺すことなかれ」 、デズモンドの心に刻まれた。
15年後、立派な青年となったデズモンドは、教会で手伝いをしている時、事故に遭った若者を助けた。
若者を病院へ連れて行き、医師から「君は、命を救った」 と言われた。
そして、美しい看護師ドロシーと出逢う。
二人は、仲を深めていった。
しばらくして、弟が軍に志願した。
その後、デズモンドも入隊を決意する。
そして、ドロシーと結婚の約束をして、陸軍に入隊した。
彼は、体力的には優秀だった。
ただ、衛生兵になるつもりでいたので、ライフルを持つことを拒否した。
上官からは叱責され、他の訓練兵たちからはいじめられた。
それでも彼には、信念を曲げなかった。
ついに彼は、軍法会議にかけられた。
信念を貫く彼に、父が手を差し伸べ、彼は衛生兵として戦場に行けることになった。
行き先は、沖縄。
この作品は、実話に基づいている。
戦闘シーンはリアルで、凄まじい迫力だ。
武器を持たずに戦場を駆け回る彼に、釘付けになる。