日本のアニメーション映画である。
主人公、松前緒花 ( おはな ) は、祖母、四十万スイの営む旅館「喜翆荘」 で仲居をしながら高校に通っている。
緒花の母、皐月が高校生のころ。
皐月は怒って家から飛び出し、プールに飛び込んだ。
たまたま東京から来ていたカメラマンが、彼女を撮影した。
皐月は、田舎を出て東京に行きたかったが、ただ出ていきたいというだけで目的の無い皐月を、スイは許さなかった。
それで、親子喧嘩をしていた。
現在。
緒花は、同じような毎日を過ごしているうちに、「輝きたい」 という気持ちが薄らいできていることに気付いて、複雑な気持ちでいた。
同僚で、同じ高校の同級生でもある押水菜子は、両親が忙しいので、妹たちの面倒を見ているしっかり者だ。
奔放な母のことが理解できない緒花は、菜子に理想の母親像を見ていた。
喜翆荘に、別の旅館の跡取り娘、和倉結名が修行に来た。
緒花は、結名の教育係に任命された。
明るく天然の彼女に、緒花は振り回される。
そんなある日、倉庫部屋で、緒花は古い業務日誌を見つけた。
中には、皐月がスイと喧嘩したとき、「輝きたい」 と言っていたことも書かれていた。
自分と同じ年のころ、母も、同じ思いでいたのだった。
皐月が出逢ったカメラマンのことも書かれていた。
そのカメラマンが、緒花の亡くなった父、松前綾人だ。
ほのぼのとした作品で、気楽に観ることができる。
ただ、母・皐月の高校時代と娘・緒花のシーンが交錯して、ややこしい。
テレビアニメで観ていた人には、そのあたりは全く問題ないだろうし、懐かしく感じるだろう。
何の知識もなく観ると、混乱する。