インドの映画である。
大地主ラージャに仕えるムトゥは、誠実で明るく、また腕っ節も強く、使用人達のリーダー的存在だ。
ムトゥは、御者として、いつもラージャと行動を共にしている。
ラージャの誕生日。
彼の母は、彼が芝居見物ばかりしていて、いつまでも結婚しないので、機嫌が悪い。
そこに、母の兄アンパラッタールが、娘のパドミニを伴ってやって来た。
彼は、ラージャの財産が目当てなのだ。
パドミニをラージャの嫁にしようと、目論んでいる。
パドミニは、しばらくこの家に滞在することになったが、ラージャはムトゥを連れて芝居見物に出掛けた。
ただ、ムトゥは、全く芝居に興味がない。
舞台で主演女優が台詞を喋っている時にくしゃみを繰り返して、喧嘩になる始末だ。
舞台に担ぎ上げられたムトゥは、歌って踊って、場を盛り上げた。
その時、主演女優が投げた花輪が、見物していたラージャに掛かった。
ラージャは、女優ランガナーヤキに恋をした。
ある日、ラージャとムトゥは、道端で立ち往生しているランガナーヤキ達を助けて、次の芝居小屋まで連れていった。
気の強いランガナーヤキは、先日の経緯もあって、道中、ムトゥと喧嘩し通しだった。
一行が到着して稽古を始めると、劇団長の借金を取り立てに、ヤクザが乱入してきた。
そして、借金のかたにランガナーヤキを連れ去ろうとする。
ラージャとムトゥは、ヤクザ達と乱闘になった。
ラージャの命令で、ムトゥはランガナーヤキを連れて、馬車で逃げ出した。
それを、大勢のヤクザが追いかける。
ラブコメディである。
インド映画の特徴である唐突な歌と踊りが、ふんだんに盛り込まれている。
ストーリーの流れを邪魔しているのだが、楽しそうに歌って踊っているから、嫌ではない。
ムトゥの格闘シーンは、ブルース・リーとジャッキー・チェンの両方の良いとこ取り、みたいな感じだ。
映画は、娯楽。
観て、楽しかったらそれで良い。