日本の映画である。
兵庫県の阪急今津線は、西宮北口駅から阪急今津駅までのローカル線で、駅は8つしかない短い路線だ。
この沿線に住む人たちの出来事が、個別に、あるいは接点を持って語られている。
32才のOL高瀬翔子は、恋人から別れ話を切り出された。
彼と付き合い始めてから3年、二人は結婚の準備を始めていた。
そのさなかに、彼は翔子の後輩を妊娠させ、彼女と結婚するという。
収まりの付かない翔子だったが、披露宴に招待されることを条件に、話を受け入れた。
披露宴に翔子は、ウエディングドレスで参加した。
萩原時江は、孫の亜美を連れて電車に乗っていた。
披露宴を途中で抜けて、ドレスのまま電車に乗り込んできた翔子を見た亜美は、不思議がる。
翔子は、亜美の言葉が引き金になって、泣き出した。
時江は翔子を隣に座らせて、話を聞いてやり、次の小林駅で降りて気分転換するよう促した。
21才の大学生森岡ミサは、粗暴な恋人カツヤと半同棲の生活をしている。
カツヤは切れやすく、ミサは家政婦のように扱われている。
高校生の門田悦子は、受験を控えて成績が伸び悩んでいる。
第一志望の関西学院大学には、ぎりぎりの成績だった。
関学の学生小坂圭一は、パンクファッションに軍事オタクで、いつも独りでいる。
同級生の権田原美帆と、電車の中で親しくなり、付き合うようになった。
42才の主婦伊藤康江は、息子のPTAで知り合った人たちに、高額のランチを付き合わされて、困っている。
複数のドラマなので、内容は浅い。
その分、深刻にならずに、ほのぼのとした雰囲気に仕上がっている。
関西出身のタレントを多用しているので、関西弁に違和感がない。
高瀬翔子役の中谷美紀は、東京出身である。
彼女だけ、敢えて標準語を話させたのは、大正解だ。