勝新太郎主演、日本の映画である。
今まで斬ってきた人の菩提を弔うため、座頭市は四国八十八ヵ所巡礼の旅に出た。
船の中、客の財布を奪った上に怒鳴り散らしている男が、座頭市にも突っかかる。
なだめても聞かない男の手を、座頭市は切り落とした。
そして巡礼を始める。
橋の上で、男がいきなり斬りかかってきたので、座頭市は返り討ちにした。
男の馬が、死体を川へ流し、座頭市を誘った。
座頭市は、とぼとぼと、馬の後を着いていく。
村に入り、男の家に着いた。
家にいた女が、いきなり座頭市に斬りかかる。
座頭市は、躱すことなく腕を切られた。
女は、座頭市を襲った男・栄五郎の妹・お吉という。
お吉は、座頭市の手当をして、事情を話した。
栄五郎は、借金のかたに、座頭市暗殺をさせられたのだった。
この村は、馬喰の藤八が暴力で支配しようとしていた。
栄五郎は、藤八に命じられたのだった。
「海を渡る」 という題名だが、海は出てこない。
冒頭の船内だけが、唯一、海を連想させる。
名主をはじめ村人達に覇気が無く、藤八一味が押しかけて支配すると宣言しても、誰も戦おうとしない。
そこで座頭市が1人で立ち向かう、という設定なのだが、なぜ、今まで、村が支配されていなかったのか。
などと、疑問に思ってはいけない。
ただ、座頭市は優しくて強い、格好いいヒーローなのだ。