日本の映画である。
殺人事件で招集された陪審員達が、会議室で話し合いを始める。
最初に、喫茶店に飲み物を注文した。
被告は21才の女性で、5歳の子供がいる。
別れた夫に復縁を迫られ、走ってきたトラックの前に、夫を突き飛ばして死亡させた。
12人の陪審員が席に着いて、早速、多数決を取る。
全員、無罪に手を上げた。
みんなが帰り始めた中、一人の男 ( 陪審員番号2番 ) が、異を唱えた。
彼は周囲に流されて無罪に手を上げたものの、本心は、有罪だったのだ。
そこから話し合いが、始まった。
この事件での目撃者は、夫を撥ねたトラックの運転手と、通りかかった主婦だけ。
夕闇が迫っている時間。
交通量の少ないバイパス道路。
2番の主張で、有罪に変わる者が出てきた。
正当防衛が成り立つかどうか、最初の論点は、そこだ。
陪審員制度では、全員一致でないと評決は下せない。
議論は、ヒートアップしていく。
自己主張の強い人、周囲に合わせる人、興味のない人など、個性がはっきりしている。
ころころ意見を変える者、黙りを決め込む者、以前に陪審員をした時のトラウマが残っている者もいる。
映画の設定は、アメリカの裁判のような陪審員であり、日本の裁判員ではない。
裁判員は裁判官を含めた多数決で量刑まで決めるが、陪審員は全員一致で、有罪か無罪かのみを決める。
全員一致というところが、この映画を面白くしている。