ドイツの映画である。
モンゴルの草原で暮らす一家を、ドキュメンタリー風に描いたものだ。
一家の長女ナンサは、6歳。
ある日、燃料にするための牛の糞を拾い集めていると、洞窟の方から犬の鳴き声が聞こえてきた。
ナンサが行くと、ブチのある白い犬がいた。
ナンサは、「ツォーフォル」 と名付けた。
連れて帰ると、父は、ツォーフォルを飼うことを許さなかった。
野良犬は、やがて人を襲うようになるからだ。
しかしナンサは、父に黙って飼い始めた。
一家の日常が淡々と映し出されているだけで、「物語」 は無い。
ドキュメンタリーだと割り切れば、それは気にならない。
ただ、もし現実だったらとんでもない事件は、起きる。
この作品では、何と言ってもナンサとツォーフォルの信頼関係が、心に響く。
そして、映像が、もの凄く美しい。
映画館の大画面で観たら、感動で震えてしまうだろう。
映画祭みたいなので上映されたら、万難を排して観に行きたい。