川端康成の小説を映画化したものだ。
大正時代。
一高 ( 現在の東京大学 ) に通う川島は、思い立って一人旅に出た。
途中の宿で、旅芸人の一行と出会う。
その中に、可愛らしい少女がいた。
翌日、雨の中、川島が峠の茶屋に駆け込むと、昨日の旅芸人一行が休憩していた。
川島は、少女から席を譲られる。
すると、店を切り盛りしている婆さんが、川島を奥へ案内した。
婆さんは旅芸人を見下しており、また、書生を尊敬していた。
雨が上がると、旅芸人一行は、既に出発していた。
川島は、走って追いかけ、下り坂で追いついた。
少女と目が合った川島は、照れくさくて、そのまま追い抜いていこうとする。
座長の栄吉が、川島に話しかけてきた。
話が弾み、川島は、下田まで同行することにした。
少女・かおるは喜んだ。
湯ヶ野に着いた。
川島は同じ宿に泊まりたかったのだが、栄吉が彼を上等の宿に案内した。
川島とかおるの、淡い恋物語である。
当時の時代背景である女性蔑視の風潮や、職業差別も描かれている。
美しい映像とのギャップも、いい。
ただ、ラストが衝撃的で、モヤモヤが残る。