アメリカの、ドキュメンタリー映画である。
ロープを使わずに、自分の手足だけで崖を登る「フリーソロ」 の第一人者、アレックス・オノルドの挑戦を描いた作品だ。
彼は、19歳で大学を中退し、本格的にフリーソロに専念した。
世界的に有名になり、本も出版している。
次の目標は、ヨセミテ公園内にある巨大な崖「エル・キャピタン」 だ。
彼は、数年来、この壁への挑戦を考え、避けてきた。
2016年、彼は30才を過ぎ、ついに挑戦を決心する。
まず、ロープを使って昇りながら、足場をチェックし、ルートを探る。
恋人のサンニは、とても協力的だ。
秋、彼は練習中に落下して、足に怪我を負った。
足首の靱帯を損傷したのだが、じきに訓練を開始する。
ハロウィーンが過ぎて、寒くなってきたある日、彼は決行した。
しかし、登り始めて間もなく、断念する。
撮影クルー、カメラの存在が、彼の集中力を奪ってしまうのだ。
取材班は、遠隔操作のカメラや超望遠レンズを使っての撮影に切り替えた。
そして2017年6月3日、午前5時32分。
挑戦が始まった。
大した苦悩や葛藤を見せないのは、さすがにプロだ。
ひょうひょうとして、偉業を成し遂げる。