アメリカの映画である。
この映画は、ヴィトー・コルレオーネの生い立ちと、組織を引き継いだ三男マイケルの1年を、交互に描いている。
流れの順に紹介するとややこしいので、それぞれのパートに分ける。
( ヴィトー・コルレオーネのパート )
1901年、シチリア、コルレオーネ村。
9歳になったヴィトー・アンドリーニは、父の葬儀に参列していた。
父は、地元のマフィア・チッチオに殺され、兄は父の復讐のために身を隠していた。
その兄が、葬儀の最中に射殺された。
葬儀の後、母はヴィトーを連れて、命乞いのためチッチオを訪ねた。
その場で母は射殺され、ヴィトーは逃げた。
ヴィトーは、村人の協力で船に乗り、ニューヨークに渡った。
入国の際、係員が勘違いで、彼は「ヴィトー・コルレオーネ」 となった。
成長したヴィトーは、イタリア人街の食品雑貨店で真面目に働き、結婚し、子宝にも恵まれた。
ある日、地元のギャング・フィヌッチのせいで、仕事を奪われてしまう。
家族を養うため、仕方なく隣人に誘われた盗みに手を貸した。
泥棒稼業が、やがてフィッチに目を付けられ、高額のみかじめ料を要求された。
解決する方法は、一つしかない。
( マイケルのパート )
1958年。
マイケルは、父ヴィトー亡き後、組織を引き継いだ。
ニューヨークの五大組織のドンを始末したマイケルは、拠点をネバダ州に移した。
タホ湖の湖畔に邸宅を構えている。
この日、長男アンソニーの初聖体式のパーティーが開かれ、大勢が招待されていた。
マイケルは、カジノのこと、妹コニーのこと、兄フレドの妻のことなど、悩み事が尽きない。
さらに自分の妻には、なかなか合法組織に出来ないことを、なじられる始末だ。
夜、妻と寝室にいるところを、銃撃された。
マイケルは、義兄で弁護士のトムに全てを任せて、家を出た。
かつて父の友人であった、ユダヤ系マフィアのボス、ハイマン・ロスに面会する。
ヴィトーのパートはセピアなので、戸惑うことがない。
同時に二つの物語が楽しめる、贅沢な作品だ。
両パートとも、別々の物語として完結しているのも良い。