日本の映画である。
東京の下町。
アパートの二階に、親子が引っ越してきて、隣家に挨拶している。
母・福島けい子、息子は小学六年生の明、父親は長期出張中だと自己紹介した。
引っ越しのトラックからスーツケースが運び込まれ、中には次男の茂、次女のゆきが入っていた。
その夜、長女の京子も、こっそり合流した。
子だくさんだと、敬遠されて部屋が借りられないからと、苦肉の策だ。
子供達は、皆、父親が違う。
そして、学校には通っていない。
母・けい子が昼間に働きに行っている間、明と京子が、弟たちの世話をしている。
明は、買い物などで外出するが、他の子は、いないことになっているので、ずっと部屋に籠もりっぱなしだ。
ある日、けい子に好きな人が出来た。
けい子は、生活費を残して、出て行ってしまう。
子供達だけの生活が、始まった。
芸術的な作品である。
だから、退屈だ。
冒頭に重そうなスーツケースを運び込んだ時、事件を予感してワクワクしたが、子供が隠れていただけだった。
ならばと、開始三十分くらいの所で、明が万引きの濡れ衣を着せられるシーン。
ここから、物語が盛り上がっていくのかと思ったが、難なく解決し、日常に戻る。
ただ、子供達が暮らしているだけの風景が続く。
これが、約2時間半続く。
理屈で分析する左脳型の人には、楽しめるのかも知れない。
私は感覚的な右脳人間なので、私には退屈なだけの映画だ。