フランスの映画である。
冒頭、パリの市内を、高級車が猛スピードで走っていて、警察に停められる。
運転していた黒人男性が出てきて、怒りながら警官に対応した。
「助手席の男は障害者で、発作を起こしている。だから病院へ急いでいるのだ。」 みたいなことをまくし立てる。
助手席の男は、口から泡をふいていた。
慌てた警官は、2人の車を病院まで先導した。
大富豪のフィリップは、障害者だ。
介護人を雇っても、彼の気難しい性格のせいで、皆、長持ちしない。
この日も、大勢が面接に来ていた。
スラム街出身のドリスは、失業保険を貰うのに必要な「不採用通知書」 を書いてもらうためにやってきた。
彼のぶっきらぼうな態度をフィリップは気に入り、ドリスを仮採用する。
ドリスは、フィリップを障害者としてではなく、普通の人間として接した。
雇い主であることも、大富豪であることも気にせず、ため口で思ったことを何でも話す。
フィリップは、それが新鮮で、ドリスと過ごす事が楽しかった。
ある日、フィリップが秘書に手紙を代筆させているところに、ドリスが入ってきた。
文通相手の女性エレノアに対しての詩的な文章が、ドリスにはまどろっこしかった。
ドリスは、手紙の中から電話番号を見つけ出し、強引に電話した。
フィリップとエレノアの会話は、弾んだ。
ただ、フィリップは、自分が障害者であることを羞じていて、彼女に知られたくなかった。
フィリップの誕生パーティーが終わった夜、エレノアから写真を添えた手紙が届いた。
パリに行くから、会えないかと書いてある。
フィリップは、カフェで彼女を待つが、障害者である自分に自信を持てなかった。
そして、彼女が来る前に、逃げ出してしまう。
この作品は、実話に基づいている。
フィリップも、ドリスも、とても言い良人間だ。
両方が、羨ましくなる映画である。