田中好子主演、日本の映画である。
報道記者の上杉が、交通事故の現場を取材した時、被害者の母・圭子と出会う。
圭子は、憔悴しきっていて、とても取材には応じられなかった。
後日、上杉は圭子を訪ねた。
圭子は、夫と死別しており、息子の零と二人で暮らしていた。
零は、大学に合格し、この春に入学したばかりだった。
零は、飲酒運転の車に撥ねられて亡くなったのだ。
加害者は、無免許の上、再犯だった。
圭子は、息子の事件と裁判を報道して欲しいと、上杉に訴えた。
判決は、業務上過失致死罪が適用され、懲役五年。
圭子は、刑の軽さに理不尽さを覚え、改革に動き出す。
また、息子の代わりに大学に行くのだと、受験勉強を始めた。
実話に基づいていて、それなりにリアリティはある。
それなりにと感じたのは、台詞や演出が、「くさい」 からだ。
あざとい、押しつけがましい。
このような重い作品ほど、淡々と描いた方が、心に響くものだ。
田中好子の、ぶっ飛んだ雰囲気作りは、よかった。