トミー・リー・ジョーンズ主演、アメリカの映画である。
実際に起きた事件を元に、制作された。
2004年、ある日、退役軍人ハンク・ディアフィールドに、軍から電話が入った。
ハンクの息子マイクが、イラクから帰還後に無断離隊し、行方不明になっているという。
ハンクは、息子の写真を手に、基地に向かった。
基地では、皆、素っ気ない。
ハンクは、マイクの部屋から彼の壊れた携帯電話を持ち出し、専門家に預けた。
軍が非協力的なので警察に行くが、刑事も素っ気ない。
その夜、警察に殺人事件の連絡が入った。
刑事達が現場に行くと、死体はバラバラに切断された上に焼却され、そらに野生動物に食い散らかされていた。
死体は軍施設の境界線内にあり、警察は遅れた来た軍警察に追い出されてしまう。
警察としても、厄介な事件が一つ減ったので、大助かりだった。
翌日、犠牲者がマイクだと判明し、モーテルに滞在しているハンクの元に連絡が入った。
軍の担当官は、遺体を確認に来たハンクに、彼は麻薬をやっていて、麻薬がらみで殺された、手口がメキシコ人麻薬犯罪者のものだ、と告げた。
納得のいかないハンクは、再び警察署を訪れ、刑事のエミリーに現場に連れて行ってもらう。
元軍警察軍曹のハンクは、現場で推理を巡らし、殺されたのは境界線の外側だと主張した。
エミリーは、上層部と掛け合い、真相究明に乗り出す。
重苦しい映画だ。
携帯電話に保存されていた映像は、イラクでの様子だった。
ファイルが復元される度に、マイクのパソコンに送られてくる。
映っている内容や同僚達の証言が、ハンクの知っているマイクと乖離していた。
ハンクの葛藤が、観ていて辛い。
イラクに派遣された兵士達は、多数の死体を見、目の前で仲間が死に、自分もいつ死ぬか分からない極限の緊張状態にいる。
精神が崩壊しても、おかしくない。
これもまた、戦争の悲惨さを描いた作品である。