実話に基づいた、アメリカの映画である。
1954年、52歳のレイ・クロックは、業務用マルチミキサーを売り歩いていた。
ミルクシェイクを、同時に沢山作ることが出来るマシーンだ。
これが、なかなか売れない。
休憩に入ったドライブイン・レストランでは、長く待たされた挙げ句、注文したのとは別の品物が来た。
ある日、出先からオフィスに電話すると、一気に6台の注文が入っていた。
不審に思ったレイは、電話番号を聞いて掛けてみたところ、注文台数が増えた。
レイは、興味を持って、実際に店を訪ねた。
そこはハンバーガー店であり、長蛇の列が出来ていた。
ところが、客がどんどんさばかれていく。
レイの番になって注文すると、直ぐに商品が出てきた。
紙袋に入っていて、食べた後は捨てればいいという、画期的なものだった。
レイは、厨房を見せてもらい、そのシステムに感動する。
その夜、店のオーナーを食事に誘い、話を聞いた。
レイの出した結論は、フランチャイズ化だった。
オーナーのマクドナルド兄弟は、既に5軒のフランチャイズ店を出していたが、品質管理などに苦労していた。
拒む兄弟を説得し、正式な契約を交わしたレイは、フランチャイズ店を増やしていく。
この作品を観て、マクドナルドの歴史を知ることが出来る。
我々日本人にとっては、実に後味の悪い、不愉快さの残る作品だ。
「強いものが勝つ」、「力が正義」といった感覚は、なかなかなじめない。
しかし、アメリカ人にとってレイは、アメリカンドリームを体現したスーパーヒーローである。
近頃は、商品が売れない日本市場を見限って、海外進出を目論む中小企業が増えてきた。
レイのような者達を相手にして戦わねばならないことを、この映画を観て理解しておくべきだ。
その点では、教科書的作品である。