ミャンマー・日本合作の映画である。
主人公ナンは、女子高生だ。
両親はミャンマー人の難民で、ナンは日本生まれの日本育ちである。
母親は、他界している。
父は、ミャンマー料理の食堂を経営しているが、ナンはパティシエになるのが夢だ。
そのための専門学校に通うべく、バイトで資金を貯めている。
ある日、ナンは自身が無国籍であることを知る。
両親はミャンマー民主化運動の活動家で、民主化された暁には、家族で戻るつもりだったからだ。
日本国籍だと信じていたナンは、大きなショックを受ける。
夏休みを利用して、ナンは食堂の従業員であり語学留学生の青年トゥラと、ミャンマーを訪れる。
母方、父方双方の親戚に会い、ミャンマー各地を廻っている内に、ここが祖国だという自覚が出てくる。
この作品は、初めのうちは退屈である。
観るのを止めようかと言うほど、退屈でつまらなかったが、徐々に引き込まれていった。
ミャンマー人の美女とイケメン、そして「日本への感謝」が台詞として出てくるからか。
後半のミャンマーロケは、映像がとても美しい。
民族のアイデンティティーとは何かを、考えさせようとする作品である。
主人公は生まれも育ちも日本であるというのに、日本語がたどたどしくて、設定に無理があると感じた。
たどたどしいと言うより、台詞の棒読みだから、日本語が話せないのでは。
トゥラ青年は、映画の中で「トゥラさん」と呼ばれていて、演じるキャラクターも寅さんみたいで、好感が持てた。