captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

天空の草原のナンサ

ドイツの映画である。

 

モンゴルの草原で暮らす一家を、ドキュメンタリー風に描いたものだ。

 

一家の長女ナンサは、6歳。

 

ある日、燃料にするための牛の糞を拾い集めていると、洞窟の方から犬の鳴き声が聞こえてきた。

 

ナンサが行くと、ブチのある白い犬がいた。

 

ナンサは、「ツォーフォル」 と名付けた。

 

連れて帰ると、父は、ツォーフォルを飼うことを許さなかった。

 

野良犬は、やがて人を襲うようになるからだ。

 

しかしナンサは、父に黙って飼い始めた。

 

一家の日常が淡々と映し出されているだけで、「物語」 は無い。

 

ドキュメンタリーだと割り切れば、それは気にならない。

 

ただ、もし現実だったらとんでもない事件は、起きる。

 

この作品では、何と言ってもナンサとツォーフォルの信頼関係が、心に響く。

 

そして、映像が、もの凄く美しい。

 

映画館の大画面で観たら、感動で震えてしまうだろう。

 

映画祭みたいなので上映されたら、万難を排して観に行きたい。

トゥモロー・ワールド

クライヴ・オーウェン主演、イギリス・アメリカ合作の映画である。

 

2027年ロンドン。

 

アルゼンチンで、18才4ヶ月のディエゴ・リカルドが亡くなったとのニュースが流れた。

 

人々は、大いに落胆した。

 

なぜなら、リカルドは最も若い人間だったからだ。

 

2008年にインフルエンザが大流行して、大半の子供が死んだ。

 

翌年から、出生率が0%になった。

 

理由は、分からない。

 

子供が生まれなくなった世界には、未来の希望が無い。

 

やがて、世界中で紛争が起きて、国の形を成さなくなった。

 

現在、世界で唯一、イギリスだけが国として成立している。

 

イギリスは鎖国して、通行証がなければ入れない。

 

不法移民は、強制収容される。

 

イギリスでも、テロが横行し、自殺者も多い。

 

政府は、無料で抗うつ剤や自殺剤を配布している。

 

主人公セオ・ファロンは、エネルギー省に務めている。

 

ある日、彼は出勤の途中で拉致された。

 

連れて行かれたところは、反政府組織「フィッシュ」 のアジトだ。

 

そこにいたのは、セオの元妻ジュリアンだった。

 

驚くセオにジュリアンは、不法滞在している20歳の女性キーのために、通行証を用意して欲しいと頼んだ。

 

セオは、一旦断ったものの、文化大臣をしている従兄弟のジュリアンに話を付けた。

 

そして、通行証を用意して、セオも一緒に移動する。

 

ところが途中で、一行が襲撃され、ジュリアンが命を落とした。

 

何とか一行は、別のアジトに逃げ込んだ。

 

そこでセオは、キーが妊娠していることを打ち明けられた。

 

彼は、何としてもキーとお腹の中の子供を守らなければならない。

 

今観ると、なんだか現実になりそうな作品だ。

 

武漢ウイルスが流行り始めた頃、「感染したら生殖能力が奪われる。」 と一部で言われていた。

 

本当にそうなら、数年後の世界は、出生率0%になる。

 

デマであることを、祈る。

 

 

 

 

ザ・ドライバー

ライアン・オニール主演、アメリカの映画である。

 

男が、駐車場から青い車を盗み出した。

 

カジノの前に停まる。

 

カジノでは、遊んでいた女が、換金して帰るところだ。

 

時間を見計らって、男が車を店の裏に着けた。

 

カジノ押し入った強盗が裏から出てきて、女の脇をすり抜け、車に駆け込んだ。

 

男は、「逃がし屋」 である。

 

高度な運転テクニックで、次々にパトカーを事故らせて逃げ切った。

 

分け前を受け取った彼は、車をスクラップ置き場に捨てた。

 

翌日、刑事が捨てられていた青い車を調べると、手製のピッキングの道具が出てきた。

 

それを見て、運転していたのは「カウボーイ」 と呼ばれる男だと、刑事は確信した。

 

刑事は「カウボーイ」 を連れてきて、カジノでの目撃者達に面通しをさせた。

 

カジノの女は、「別人だ」 と偽証した。

 

どうしても「カウボーイ」 を捕まえたい刑事は、スーパーに入って捕まった強盗に、囮捜査を持ちかけた。

 

銀行に用意しておいた金を盗ませて、「カウボーイ」 の運転する車で逃げるのだ。

 

カーアクションは、それほど大したものではない。

 

無口なライアン・オニールは、格好いい。

 

ラストは、ややこしい。

 

 

 

友よ静かに死ね

アラン・ドロン主演、フランスの映画である。

 

1945年、パリ。

 

戦争の傷跡が、あちらこちらに残っている。

 

パリでは、ロベールが率いる「シトロエン・ギャング」 が、警察を出し抜き強盗を繰り返していた。

 

この日も、いつものように元気よく「仕事」 に出掛けて行ったのだが、帰ってきたジョーが、ロベールの恋人マリネットに駆け寄った。

 

時間が戻る。

 

マリネットがロベールに知り合ったのは、戦時中だ。

 

彼女はロベールの稼業を知りつつも、彼や彼の仲間達に溶け込んでいった。

 

仲間の1人レイモンの子供が、洗礼式を迎えた。

 

今は隠居している彼らの大先輩コルネリウスの計らいで、式が執り行われ、パーティーが始まった。

 

暫くしてロベールは、マリネットとレイモンをフェリシアの家に送り届けた。

 

その頃、武装したパリ警察は、パーティー会場を取り囲んでいた。

 

戻ってきたロベールは警察に気付き、一計を案じる。

 

そして、警察署に電話した、「ギャングに襲撃されている。」 と。

 

やがて駆けつけた警官隊と、取り囲んでいた警官隊が、銃撃戦を始めた。

 

 

カーリーヘアーのアラン・ドロンは、違和感がある。

 

しかし、全体的にお洒落な雰囲気は、フランス映画ならではだ。

新・夕陽のガンマン / 復讐の旅

リー・ヴァン・クリーフ主演、イタリアの西部劇である。

 

雨の夜、強盗団が家に押し入って一家を皆殺しにし、家に火を点けた。

 

一人隠れていた少年・ビルは、後から来た男の手で救い出された。

 

15年後、服役していたライアンが、出所した。

 

彼が街のホテルに泊まっていると、夜、男が2人、窓から侵入してきた。

 

ライアンは彼らを射殺する。

 

翌朝、ライアンはビルの家の前にある墓で、たたずんでいた。

 

ライアンはビルに、家族のことを聞いただけで立ち去った。

 

暫くして保安官が、見覚えのある拍車を持って、ビルの所に来た。

 

それはライアンが射殺した男が付けていたもので、15年前にビルの家族を殺した一味が落としていったのと、同じだった。

 

ビルは、ライアンを追った。

 

しかし、待ち伏せしていたライアンに銃を奪われてしまう。

 

ここで初めて、2人が復讐をしようとしている相手が同じだと判明した。

 

しかし、仲違いしてしまう。

 

この作品では、珍しくリー・ヴァン・クリーフは悪役ではない。

 

彼はラストまで、ずっと格好いい。

 

音楽も良い。

 

50年以上前の作品だが、ちっとも色褪せていない。

引き裂かれたカーテン

ポール・ニューマン主演、アルフレッド・ヒッチコック監督、アメリカの映画である。

 

東西冷戦時代。

 

アメリカ人物理学者マイケル・アームストロングは、助手で婚約者のサラ・シャーマンと共に、船でコペンハーゲンに向かっていた。

 

国際物理学会に出席するためだ。

 

マイケルは、本屋から電報を受け取った。

 

ホテルに到着後、マイケルがシャワーを浴びている最中に書店から電話があり、サラが本を受け取りに行った。

 

サラから本を受け取ったマイケルは、トイレに駆け込み、封を開ける。

 

そして、暗号を読み解いた。

 

「π に会え」 と書いてあった。

 

マイケルはサラに、「急にストックホルムに行くことになった。結婚式までには帰る。」 と告げる。

 

サラが調べると、ポールは東ベルリン行きのチケットを買っていた。

 

そして、サラは勝手に東ベルリンまで付いてきてしまう。

 

到着後マイケルは記者団の前で、東ドイツへの亡命を発表した。

 

ヒッチコック監督の作品だけに、スリルとサスペンスに満ちている。

 

最後まで、ハラハラドキドキさせられる。

ナイアガラ

マリリン・モンロー出演、アメリカの映画である。

 

レイとポリーのカトラー夫妻は、新婚旅行でナイアガラの滝を訪れた。

 

宿泊先に行くと、先客のルーミス夫妻が体調を理由に、まだ留まっていた。

 

カトラー夫妻は、しかたなく別のロッジに泊まることにした。

 

ルーミス夫妻は、2年前にここに来ていて、今回は2回目だ。

 

妻ローズ・ルーミスが腰を振って歩く後ろ姿に、レイは見とれていた。

 

ポリーが、それをたしなめる。

 

その後ポリーは、ローズが男とキスをしているのを目撃した。

 

夜、外でパーティーが開かれた。

 

露出の多い服装のローズが、お気に入りのレコードをかけてもらう。

 

ところが夫のジョージが、レコードを叩き割ってしまった。

 

彼は、妻が他の男との思い出を大切にするのが、我慢ならなかったのだ。

 

怪我をしたジョージを、ポリーが手当てする。

 

ジョージは、ローズのことで愚痴をこぼすが、彼女を愛している。

 

しかし、ローズと結婚して以来、全てのことが上手くいかなくなってしまっていた。

 

話している内にジョージは荒れてきて、カトラー夫妻の手に負えなくなった。

 

ローズは、愛人に連絡を取った。

 

ナイアガラの滝観光の最中に、自殺に見せかけてジョージを殺す計画だ。

 

翌朝、愛人とジョージは、同じエレベーターに乗って、観光用のトンネルに向かった。

 

マリリン・モンローはローズ役だが、物語の主人公はジョージだ。

 

ジョージに感情移入すると、とても、やりきれない気分になる。