ジョン・ル・カレの小説「寒い国から帰ってきたスパイ」 を原作とする、イギリスの映画である。
東西冷戦下、東ドイツに潜伏していたイギリス諜報部のスパイ・リーマスは、本国に呼び戻された。
東ベルリンで、協力者のメーリックが殺されたためだ。
犯人は東ドイツの実力者ムントだと、推測された。
リーマスは管理官から、「君は、寒い国に居続けていてくれ」 と言われた。
その後、諜報部を解雇されたリーマスは、図書館に再就職した。
そこで知り合った美しい女性ナンと、恋仲になる。
しかしリーマスは、飲んだくれて、だらしない日々を送っていた。
ある日、リーマスは暴力事件を起こして逮捕される。
釈放された彼に、出所者支援団体を名乗る男が接触してきた。
男は東ドイツ諜報部の人間であり、リーマスを寝返らせてイギリス諜報部の情報を得ようとしていた。
リーマスは、話に乗る。
解雇されたのは芝居だったのだ。
そして彼は、オランダのハーグへ、その後、東ベルリンに入った。
緻密で、気を抜くとストーリーが分からなくなってしまう。
緊迫した作品だ。
「寒い国に居続ける」 とは、「感情を捨てたスパイで居続ける」 という意味である。
ラストで、表題の意味が分かる。