リリー・フランキー主演、日本の映画である。
東京の下町、柴田治は5人家族だ。
妻の信代、母の初枝、息子の祥太、信代の妹亜紀。
彼らは、血の繋がりはないが、家族として暮らしていた。
治は日雇い労働者、信代はクリーニング店でパート、そして初枝の年金が収入源だ。
それだけでは足りないので、治は祥太を連れて、万引きをしていた。
ある日、万引きの帰り、アパートの玄関先で泣いている女の子を連れて帰った。
「ゆり」 という4、5歳の子供である。
夕食後、治と信代は、その子をアパートに連れて行くと、中から夫が妻を怒鳴りつける声が聞こえてきた。
ゆりの手の傷からも、虐待されているらしい。
信代は、連れて帰って「保護」 することにした。
治が、建設現場で足を折った。
しばらく仕事に行けず、労災も降りなかった。
祥太は、ゆりの世話をしながら、万引きを教える。
抑揚の少ない物語が、進んでいく。
最後は、無難に纏めた、という感じだ。
ぶっ飛んだ想定で始まっているのに、真面目に、まともに締めくくっては、面白くないではないか。
世間に批判されないように、安全策を取ったのだろう。