永瀬正敏、樹木希林主演、日本・フランス・ドイツ合作の映画である。
桜並木の側に、小さなどら焼き屋がある。
寡黙な若者・千太郎が、この店の雇われ店長だ。
店にはカウンター席もあって、学校帰りの女子中学生が、お喋りしている。
桜が綺麗に咲いているある日、アルバイト募集の貼り紙を見た老婆が入ってきた。
手が少し不自由なので時給は半額で良いと言うが、千太郎は、どら焼きを一つあげて、追い返してしまう。
翌日、その老婆が再び店に来て、手作りの餡を置いていった。
業務用の餡を使っていた千太郎には、衝撃的な美味しさである。
千太郎は、この老婆・徳江を雇い、餡を作ってもらうことにした。
そして店は、行列の出来る繁盛店となった。
ある日、店のオーナーが千太郎の処に来て、徳江はライ病に罹っているのではないか、すぐに解雇しろと言う。
しかし千太郎は、徳江の人間性に惹かれて、雇い続けていた。
秋になると客足が途絶え、徳江は自分のせいだと思って店を辞めてしまう。
千太郎は、常連客のワカナと一緒に、徳江の住む施設を訪ねていった。
三カ国の合作ではあるが、監督も出演者も全て日本人である。
娯楽作品ではなく、教育映画だ。
主演2人の演技が、光っている。
施設での対話シーンは、特に良かった。