フランスの映画である。
冒頭、覆面をした男が、家族の前で夫を射殺する。
この男は、主人公ではない。
主人公ヴァンサンは、普通のビジネスマンだ。
妻と幼い娘の三人で暮らしている。
彼の趣味は射撃で、フランス代表になれるほどの腕前だ。
彼は、問題を抱えていた。
妻が家を新築したがって、建て始めたものの、資金が底をついた。
また、彼の父親が病気になり、引き取って一緒に暮らすことになった。
ところが、この父親が家族に馴染めない。
やがて耐えきれなくなった妻が、家を出て妹夫婦の元に行ってしまった。
そんなある日、ルノーという男がヴァンサンに近づいてきた。
そして、狙撃による暗殺を持ちかける。
彼は、それを引き受け、最初の暗殺に成功した。
多額の謝礼を受け取る。
ヴァンサンは、女性をターゲットにした暗殺に失敗した。
その代償として、建設中の家を焼かれてしまう。
次は貴様の命だ、家族の前で殺されるのだと、ルノーに脅され、次の仕事を引き受けた。
冒頭の暗殺シーンでアクション映画への期待が高まるが、その後は、退屈なシーンが40分ほど続く。
また、ごく普通の男が、金のためにあっさり人を殺せるのだろうかと、日本人なら考えるだろう。
しかし、これは、民族性の違いだ。
フランス国歌の歌詞を見れば、そんなことくらい当たり前にするだろうと、納得できる。
ラストは、なんだか中途半端だ。
観客に、この後の展開を予想させるための演出なのだろうか。
スッキリしない。