captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

子ぎつねヘレン

日本の映画である。

 

実話に基づいている。

 

小学生の太一は母親と2人暮らしだったが、カメラマンの母は、仕事で海外に行ってしまった。

 

太一は、北海道にいる母の恋人・幸次に預けられた。

 

転校したばかりの太一は、まだ、クラスに馴染んでいない。

 

ある日、下校の途中、道端にいる子狐を見つけた。

 

彼は、派出所に行き、警官に親狐を探してくれと頼む。

 

警官は、彼らをパトカーに乗せて、世話をしてくれるところへ連れていった。

 

そこは、太一が預けられている幸次の診療所だった。

 

幸次は獣医師であり、採算を度外視して、依頼を全て引き受けていたのだ。

 

野生の狐は、寄生虫を持っているかもしれない。

 

幸次は子狐を洗浄し、幸次の娘・美鈴は、太一を風呂に入れた。

 

子狐は、外傷こそ無かったが、脳に損傷を負っているらしく、目が見えず、耳も聞こえなかった。

 

太一は、子狐を「ヘレン」と名付け、世話をする。

 

もう少し大きく育ち、体力が付いたら、手術で治せる可能性があった。

 

暫くしてヘレンは、幸次の恩師である教授に託された。

 

太一は、治ったヘレンと一緒に遊ぶため、クラスメートにスノボーを教えてもらう。

 

頑張っている太一にもたらされたのは、ヘレンは治らない、大学病院で預かる、という知らせだった。

 

太一は、ヒッチハイクで大各病院へ、ヘレンを取り返しに行く。

 

この作品は、親に捨てられた子狐と、親に放り出された恰好の太一が重なる。

 

孤独な者同士、傷をなめ合うのかというと、そうでもない。

 

安楽死させることを考えていた幸次が太一に言った、「ヘレンの本当の幸せは何なのか、考えろ」、という台詞は、深く重い。

 

ありふれた、動物との交流を通しての成長物語である。

 

解っていても、心を揺すぶられる作品だ。

 

子供、動物を使うのは、鉄板だから。