フランス・イタリア合作の映画である。
ステファンは、父親が病気で亡くなったので、母がいるパリに帰郷した。
少年の頃住んでいたアパートには、当時の大家さんが健在で、彼の部屋がそのまま残っていた。
ステファンは、窮屈なベッドで寝る羽目になる。
彼は、母の紹介で、カレンダー会社に就職した。
ある日、帰宅すると隣に引っ越してきた人がいて、荷物のピアノが落下しそうになった。
ステファンが手を差し伸べ、何とか助かる。
そこには、二人の女性がいた。
引っ越してきたのがステファニー、もう一人は手伝いに来た友人ゾーイだ。
ステファンは、気さくなゾーイが好きになる。
翌日、ゾーイに会うために部屋に行くと、ステファニーしかいなかった。
彼女は、夢見がちな女性で、それは、ステファンも同じだった。
妄想癖、といっても良いくらいだ。
ステファンは、無意識のうちにステファニーに惹かれていき、夢の中でプロポーズした。
この映画は、夢とというか妄想と現実を行き来して、観ている側も勘違いする場面がある。
それはそれで、楽しめる。
夢の世界は、段ボールやフェルトで作られていて、ファンタジックだ。
少年から青年の頃は、誰でも、こんな風に妄想する。
自分の心を暴かれているみたいな、そんな気分にもなる作品だ。