アメリカのSF映画である。
近未来、人類は遺伝子操作で優秀な人間を誕生させていた。
知能、体力、外見に優れ、「適正者」として、社会で優遇されていた。
自然に生まれた人間もいて、こちらは「不適正者」として差別されていた。
主人公ヴィンセントは、不適正者で、心臓に欠陥があった。
彼を生んだあと両親は考えを改め、弟アンドレを適正者として遺伝子操作をして出産した。
幼い頃、兄は弟に、あらゆる面で劣っていたが、遠泳で弟に勝つことが出来て自信がついた。
彼の将来の夢は、適正者にしか認められない宇宙飛行士だ。
大人になっても夢を諦められないヴィンセントは、宇宙開発の会社「ガタカ」に清掃員として就職した。
そこで働きながら、IDブローカーから適正者の生体ID、すなわち指紋や血液サンプルの売買を持ちかけられた。
相手は、エリート水泳選手だったが、プレッシャーに負け自殺未遂、半身不随となっていた。
ヴィンセントは、彼の生活を保障することと引き替えに、彼の生体IDを手に入れる。
それを使って、ガタカ社の試験に合格し、宇宙飛行士の訓練が始まった。
SF作品ではあるが、舞台設定がSFと言うだけで、中身は人間ドラマである。
生まれながらに、「適正者」より知能も体力も劣っている主人公が、努力して適正者との競争に打勝っていくところは、観ていて力が入る。
不正がばれるかも知れないというサスペンスも、観る者を惹きつける。
ネタバレになるので書かないが、ラストに向かうところは、素晴らしい。