captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

木と市長と文化会館 または七つの偶然

フランスの映画である。

 

ある田舎の市長が、国から予算を取ってきて、文化会館を初めとする総合施設を作る計画を立てた。

 

田舎町に大きな施設を作ることで、住民を増やしたい意図があった。

 

市長の恋人は、パリの人間であり、計画には懐疑的だ。

 

村の学校の校長は、計画に大反対である。

 

しかし、家族に意見を言うだけで、行動に移さない。

 

それを幼い娘がたしなめるのだが、「しっかりした娘だ」と感じるのは、我々が日本人だからだろう。

 

とある雑誌が、市長と校長に、別々にインタビューをした。

 

出来上がった記事は、編集長の思惑で、校長の意見のみが掲載された。

 

さらに、地盤の脆弱性が見付かったりして、市長は追い込まれていく。

 

この作品は、「議論」中心の構成である。

 

大人だけでなく、子供も、きちんと自分の意見を言う。

 

それが、フランスの文化なのだろう。

 

議論において、日本の反日左翼どもとの最大の違いは、フランス人は相手の意見を聞くところだ。

 

相手を尊重することで、自分も尊重される。

 

小さい頃から、そのように育てられているのだろう。

 

そのような文化が分かる作品だ。

 

スリルもサスペンスも無いし、議論が白熱することもない。

 

たんたんと、物語は進む。

 

七つの章に分れていて「もし~だったら」 で、各章が始まる。

 

扱っている内容は、日本の地方行政には、よくあることだ。

 

しかし、日本の市町村長や知事は、この作品のような議論なんかしないだろう。