主人公ハルは、背が低く小太りで、冴えない中年男性だ。
9歳の頃、父親が亡くなる時に残した遺言が、彼の人生をゆがめていた。
亡くなる直前の父親は、モルヒネを大量に投与されていたため、頭が妄想でいっぱいだった。
そのため、ハルに残した言葉が「とびきりの女をものにしろ。セクシーな若い女こそ、この世の全てだ」だった。
以来ハルは、外見でしか判断せず、美人ばかりを追いかけ回していて、いつも振られていた。
ある日、エレベーターの中で人気セラピストのトニー・ロビンスに出会う。
トニーはハルに、心の美しい人が美しく見えるように催眠術を掛けた。
そして出逢ったのがローズマリーという美しい女性だった。
ハルは、ローズマリーを褒めちぎり、必死にアプローチする。
ところが彼女は、からかわれているとしか思えなかった。
ハルには飛びっ切りの美人に見えているが、実際の彼女は130キロを超える巨漢なのだ。
デート先の店の椅子が、体重で壊れる始末である。
親友マウリシオは、ハルは頭がおかしくなったのではないかと心配する。
また、ローズマリーがハルの会社の社長だったことで、同僚達はハルを良く思わない。
出世のために手段を選ばない奴だという評判だ。
マウリシオは、トニー・ロビンスに会い、催眠術を解く呪文を教わる。
愉快な映画である。
催眠術にかかったハルの目と、第三者の目のギャップを上手く描いている。
好きになると、外見なんてどうでも良くなるのだ。