1930年代初頭のニューヨーク。
世界恐慌の、真っ只中だ。
そこで出逢ったマラキとアンジェラは、結婚し子供を授かる。
次々と五人、子供が出来るが、貧しく、生まれたすぐの子が死んだのを機に、アンジェラの故郷アイルランドに帰った。
貧しさに変わりはない。
イギリス出身のマラキは、嫌われている上プライドが高く、仕事にありつけない。
なけなしのお金は、彼の酒代に消えていく。
仕方なく、彼はイギリスへ出稼ぎに行った。
アンジェラと子供達は、従兄の家に身を寄せる。
そこでは、「お金が払えないなら、身体で払え」という従兄の言いなりになるしかなかった。
子供達の、ためなのだ。
長男のフランクは、学業優秀で、力強く成長する。
クリスマスに父が帰ってきたが、無一文だった。
そして、再び出て行って、そのままだ。
成長したフランクは、アメリカへの夢が芽生える。
この映画は、画面が暗い。
仕事もせず飲んだくれている夫、子だくさん、極貧。
アイルランドの気候が、追い打ちを掛けるように暗い。
陰鬱な映画だ。
この作品は、フランクの自伝的小説が原作であり、フランクの目を通して描かれている。
暗いけれど、また観たくなる作品だ。