レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」を原作とする、アメリカの映画である。
主人公は、私立探偵フィリップ・マーロウ。
ある日、友人のテリーが、妻と喧嘩したから暫くメキシコに行きたいと言ってきた。
マーロウは、親切にもテリーをメキシコに連れていった。
彼が帰宅すると警官が待っていて、テリーの妻が殺されたという。
テリーを逃がした嫌疑が掛り、マーロウは留置場に入れられた。
その後、テリーが自殺したという知らせが入り、釈放される。
戻ったマーロウの所に、今度はアイリーンという女性が、仕事の依頼に来た。
作家である夫のロジャーが行方不明になったので、探して欲しいと。
精神科医の所にいたロジャーを見つけ出したマーロウは、無事、彼を妻の元に送り届けた。
事務所に戻ると、今度はマフィアが待っていた。
彼らは、テリーが持ち出した35万ドルを、マーロウが隠しているのではと疑っているのだ。
マーロウは、さんざん痛めつけられたが、知らないことは話せない。
そうこうしているうちに、その現金がマフィアの事務所に届けられ、ロジャーが自殺したという知らせも入った。
解放されたマーロウは、全てを悟り、メキシコへ向かう。
原作は、ハードボイルドの手本となるような名作である。
映画になると、質は落ちる。
それは仕方がない。
チャンドラーの小説を読むような人は、ロマンチストで想像力が豊かだからだ。
想像を超える画像は、不可能なのである。