ボスニア・ヘルツェゴビナ、スロベニア、イタリア、フランス、イギリス、ベルギー合作の映画である。
ボスニア紛争のさなか、ボスニア軍の偵察兵達が、濃霧のせいでセルビア軍との間にある無人地帯 ( ノー・マンズ・ランド ) のセルビア寄りに迷い込んでしまった。
そこへセルビア兵が偵察に来た。
ベテラン兵士はボスニア兵ツェラの死体を地雷の上にのせ、トラップにする。
その時、援軍に来たボスニア兵達と銃撃戦になった。
ベテラン兵士は死亡。
そして、死んだと思っていたツェラは生きていた。
しかし、動けば地雷が爆発する。
敵対するチキとニノのやり取りは、コメディーだ。
やがて、双方の軍から連絡を受けた国連軍が、塹壕にやってくる。
また、マスコミも大挙して押しかけた。
地雷処理班も来るが、ツェラを救うことができずに帰って行く。
皆が去り、三人が残された。
やがて、チキとニノは撃ち合う。
ツェラは、仰向けになったまま動けない。
この作品は、反戦映画である。
コミカルなシーンが、かえって戦争の悲惨さを強調している、と感じて欲しかったのだろうが、成功していない。
ただ、最後、ツェラの運命を思うと、やるせない。
反戦映画は、須く後味の悪いものだ。