緒形直人主演の時代劇である。
史実に基づいている。
善人ではない郡上藩主が、農民に対して過酷な年貢を取り立てる。
主人公・定二郎は仲間とともに、お上に直訴する。
生活がかかった農民と、命令で動く足軽との戦闘。
贅沢がやめられず、なんとしても多く取り立てたい藩主。
なるべくなら、うやむやに済ませたい役人達。
今もあまり変わらない気がする。
定二郎達は、最終的に「目安箱」に訴状を入れる。
それで取り調べが始まるのだが、取り調べと言うより、拷問である。
仲間が、過酷な「取り調べ」中に、命を落とす。
なぜ、訴えた側が拷問されるのか。
このようなものは、時代背景を理解していないと、分かりにくい。
農民を、あまり汚く描いていないのが良い。
NHKの時代物に出てくる農民は、ものすごく汚いが。
日本人は昔から清潔好きであり、そのことは日本を訪れた外国人達の記録に残っている。
もう一つ、日本人は平安時代から、庶民も名字を持っていた。
名前しかなかったというのは、戦後のGHQが施したギルティプログラムによるものだろう。
いつの日か、庶民も名字で呼び合う時代劇が制作されるだろう。
それはともかく、実直な役柄は緒形直人にぴったりだ。
妻役の岩崎ひろみも素晴らしい。
最初から引き込まれる作品である。