レイチェル・ワイズ主演、スペインの映画である。
4世紀末、衰えてきたローマ帝国の都市「アレクサンドリア」が舞台だ。
主人公の女性は、哲学者。
今の哲学者と違い、科学者と言った方が良いだろう。
彼女は天体を観測し、いわゆる「天動説」を研究していた。
当時は、キリスト教が台頭し、勢力を強めていた。
ローマの古くからの神々は、帝国の衰えと共に、信仰が揺らいでいる。
そこに、ユダヤ教も絡んで、宗教対立が強かった。
「天動説」は、神をないがしろにするものである。
それ故、主人公は、迫害される。
ここに、恋愛や、思慕、権力などが絡んで、作品が出来上がっている。
後味の悪い映画である。
今でも「宗教狂い」という言葉がある。
新興宗教に狂い、常識を逸脱してしまう者がいる。
当時も今も、宗教に狂っている人間のすることは、同じだ。