サイコスリラーである。
「白鳥の湖」の主役に抜擢された主人公が、プレッシャーから精神が崩壊していく恐ろしい作品だ。
主役は、純粋無垢な白鳥と、悪の権化である黒鳥の二役を演じなければならない。
異性との体験に乏しい主人公は、黒鳥が、なかなか演じきれない。
そこにライバルとの葛藤、振り付け師との関係、ステージママと化している母親との諍いなどで、精神的に追い詰められていく。
そして、しばしば幻覚を見るようになる。
幻覚と現実がない交ぜになっていて、観ているこっちも、何が何だか分からなくなる。
「あれは幻覚でした」みたいなのは、いかがなものかと思うのだが。
「専門家」の評価は高い作品である。
何も考えず、ぼうっと観ていれば、楽しめる作品なのだ。