captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

テレフォン

チャールズ・ブロンソン主演、アメリカの映画である。

 

ブロンソンは、KGBのボルゾフ少佐を演じている。

 

冷戦終結後、アメリカ国内で爆破テロがあった。

 

古い陸軍基地に、男が車で突っ込んで爆発したのだった。

 

さらに、民間のヘリが海軍基地を目指すが、撃墜された。

 

テロリスト達は、ソ連が送り込んだ者で、催眠にかかっていた。

 

ある詩の一節を耳にすると、命令を実行するように洗脳されていたのだ。

 

KGBから逃れてきたダルチムスキーという男が、洗脳された人物の名簿を持っていて、電話を使って命令を実行させていた。

 

米ソの緊張を取り戻し、あわよくば戦争をと目論んでいたのである。

 

KGBは、ダルチムスキーを殺害すべくボルゾフ少佐をアメリカに送り込む。

 

彼は、スパイとして潜り込んでいるバーバラと組んで、ダルチムスキーを探し始めた。

 

しかしバーバラは、CIAの二重スパイだったのだ。

 

銃は使うが、派手に殴り合うシーンはない。

 

アクション物としては、少し物足りない。

 

話の展開も、一本調子で抑揚がない。

 

不完全燃焼な気分が残る作品だ。

 

 

レッド・ドラゴン

アメリカの映画である。

 

ハンニバル・レクターを扱ったもので、「羊たちの沈黙」の前段階を描いている。

 

1980年、ボルチモア

 

FBI捜査官ウィル・グレアムは、心理学者ハンニバル・レクターの協力を得ながら、様々な事件を解決していた。

 

そんな中で、死体の一部が切り取られる事件が続いた。

 

この事件を分析するやり取りの中で、グレアムはレクターが犯人だと見破った。

 

格闘の末レクターは逮捕されたが、グレアムも重傷を負って入院する。

 

退院後、彼はFBIを退職してフロリダへ行き、妻と息子の三人で平穏に暮らしていた。

 

そんな折、連続一家惨殺事件が起き、元上司のジャック・クロフォードがグレアムを訪ねてきた。

 

グレアムは復帰し、収監されているレクターの協力を仰ぎながら捜査を始める。

 

脚本家は、かなり頭の良い人間なのだろう。

 

緻密に計算し尽くされたプロットだ。

 

また、この作品は、惨殺シーンが凄まじい。

 

子供に見せると、トラウマになる可能性がある。

 

休日前の夜遅く、ゆっくり観たい作品だ。

 

ラストまで断続的な緊張感があり、観終わった後は、心地よい疲労感が味わえる。

 

 

ストレンジャー・ザン・パラダイス

アメリカの映画である。

 

モノクロの作品だ。

 

ニューヨークに住む青年ウイリーのもとに、クリーブランドにいる叔母から電話が入る。

 

ハンガリーからエヴァが来るのだが、自分は明日から10日間入院しなければならないので、預かってくれと言う。

 

ウイリーは、渋々、引き受けた。

 

エヴァはウイリーの従妹だが、愛想が悪い。

 

アメリカ風の食事やアメフトを見せても、エヴァの反応はいまいちだ。

 

10日後、エヴァクリーブランドへ行く。

 

1年が過ぎた。

 

ウイリーは友達のエディと2人でポーカーに勝ち、大金をせしめた。

 

エディの兄の車で、2人はクリーブランドへ行く。

 

叔母の家を訪れ、エヴァとも再会した。

 

今度は、エヴァも連れてフロリダへ遊びに行く。

 

途中のモーテルで一泊し、翌朝ウイリーとエディはドッグレースに出掛けた。

 

目覚めた時、独りぼっちだったエヴァは、カンカンだ。

 

そこへ、有り金の殆どをすってしまった二人が帰ってくる。

 

口論の後、今度は起死回生を狙って競馬に出掛けた。

 

また取り残されたエヴァは、一人、辺りをうろつく。

 

このように、たんたんとした映画だ。

 

恋愛もないし、事件も起きない。

 

スリルもサスペンスも無い。

 

喜劇に分類されているが、腹を抱えて笑うとか、思わず吹き出してしまうシーンもない。

 

「芸術的な作品」なのだろう。

 

 

太陽は光り輝く

ジョン・フォード監督、アメリカの映画である。

 

南北戦争が終わって40年経っても、ケンタッキー州は南部魂が息づいていた。

 

プリースト判事は、進軍ラッパを愛用し、軍人会を開いたりしている。

 

気に入らない弁護士のメイドウは、判事選挙に対抗馬として立候補した。

 

ある日プリースト判事は、黒人少年がレイプ犯の疑いをかけられ、住民のリンチに遭うところを助けた。

 

公正な裁判を受けさせるためだ。

 

この少年は、判事が紹介した農場へ働きに行っていたのだった。

 

その地区の住民達が大勢、武装して少年を取り返しに来た。

 

「犬が吠えたから、そのガキが犯人だ」という先導者をプリースト判事が追い払うと、住民達も、すごすごと帰って行く。

 

街には、リーという美女がいた。

 

老将軍の孫娘なのだが、訳あって将軍は受け入れていない。

 

リーは、レイク医師に養われていた。

 

金持ちの美男子アショビーが、久々に街に帰ってきて、成長したリーと再会し、恋をする。

 

数日後アショビーは、道端で倒れた女性を医師の元に連れてきた。

 

それの女性は、リーの母親だったのだ。

 

その後、彼女は、願い通り、マリーの売春宿に連れて行ってもらい、最後を迎える。

 

葬列のシーンは、この映画の最大の見所だ。

 

棺を積んだ馬車を先頭にして、黒衣の売春婦を乗せた無蓋馬車が続く。

 

正装したプリースト判事が、1人、歩いてついていく。

 

売春婦の葬儀ということで、町の人たちは、ただ見ているだけ。

 

その中でも誠実な人か、1人、また1人と、葬列に加わっていく。

 

ガンマン同士の撃ち合いがあるわけでもないし、ヒーローものでも成長物語でもない。

 

しかし、たんたんと、美しい作品と言える。

 

西部劇を期待した人には、退屈な映画だろう。

 

 

 

 

サイレント・ワールド 2012

アメリカのB級、パニック映画である。

 

アイスランドの火山が噴火して、割れた氷河が北米大陸に向けて流れ出す。

 

気象学者のビルは、娘をニューヨークに送り出すため、空港に来ていた。

 

その時、現地にいた科学者との通信で、その事実を知る。

 

やがて氷河が、カナダやアメリカに押し寄せてくるのだ。

 

メイン州にいるビルは、息子と妻を連れ、娘を救いにニューヨークへ向かう。

 

氷河が来襲してくることで、気象が荒れ、飛行機が欠航し、車で向かうしかなかった。

 

この映画は、全てが荒唐無稽である。

 

アイスランドの氷河は、カナダやアメリカ北部を壊滅させるほどの量はない。

 

登場人物にも、周りとの対応も、全く真実味がない。

 

CGが稚拙なのは、低予算ゆえのことだ。

 

それよりも、一直線で、伏線のないシナリオ。

 

登場人物の幅を広げる、裏の人生を見せるシーンもない。

 

最初から最後までパニックの連続で、抑揚のないシナリオである。

 

こういう駄作は、勉強になる。

 

将来、映画制作に進もうという人は、こんな作品を沢山観ることだ。

ボルサリーノ

アラン・ドロン、ジャン = ポール・ベルモンド主演、イタリア・フランス合作の映画である。

 

1930年代のマルセイユ

 

出所したばかりのシフレディ ( アラン・ドロン ) は、自分を密告した男のバーを焼き払い、なじみの女ローラの元に行った。

 

そこには、カペラ ( ジャン = ポール・ベルモンド ) という男がいて殴り合いになる。

 

そして2人に友情が目覚めた。

 

漫画のような展開だ。

 

意気投合した2人は、街を仕切る親分に仕事をもらいに行く。

 

ケチな仕事だが、うまくいかない。

 

この街を本当に支配していたのは、マレロとポリというギャングだった。

 

マレロと繋がっている弁護士リナルディからもらった仕事で一儲けした2人が、ポリを暗殺する。

 

これを切っ掛けに、二人してマルセイユの支配者に成り上がっていく物語だ。

 

2人とも、格好いい。

 

2人の個性を際立て手いるので、観ている側は、どちらかに思い入れをしてしまうだろう。

 

邦画だと、兄貴分と弟分、あるいは凹凸コンビにして、個性を強調しようとする。

 

そうではなく、対等の2人が、格好いいのだ。

 

 

悪いことしましョ !

ブレンダン・フレイザーエリザベス・ハーレイ主演、アメリカのコメディ映画である。

 

主人公エリオットは、冴えない男だ。

 

電話相談窓口で働いていて、友達も恋人もいない。

 

ある日、同僚達と飲みに行った時、美人のアリソンを見かけた。

 

「知り合いだ」と言ってしまった手前、声をかける羽目になったが、うまくいかず。

 

「神様、彼女とつきあえるのなら、何でもします」と叫んだところに出てきたのは悪魔だった。

 

美しい悪魔は、「魂と引き替えに、七つの願いを叶えてやる」と言って、彼とアリソンがキスしている映像を見せる。

 

彼は、即、サインした。

 

希望通りでなかったら、渡されたポケベルに666を押すと悪魔の所に戻ってこれる。

 

彼は最初に、ハンバーガーとコーラを願ってしまい、しかも自腹で買うことになってしまう。

 

気を取り直して、アリソンとの結婚を願う。

 

気がつくと、アリソンと結婚してはいるが浮気をしていて、自分は麻薬王で命を狙われている。

 

ヘリコプターから墜ちる時にポケベルを押して生還。

 

繊細な男や、プロバスケットボール選手、洗練された男など、次々に願うものの、悪魔の悪戯で足りない部分があって、元に戻ることになる。

 

このあたり、演出が実に巧みだ。

 

笑いのツボは大人のジョークだから、子供は楽しめないだろう。

 

この作品は、同名の古いイギリス映画をリメイクしたものだ。

 

あちらの悪魔は男だが、こちらは妖艶な女の悪魔である。

 

エリザベス・ハーレイが、ピタリとはまっている。

 

アメリカの映画だから、当然のごとくハッピーエンドだ。

 

しかし、ちょっと軽すぎる。