captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

犬と私の10の約束

田中麗奈主演、日本の映画である。

 

北海道函館市

 

中学生の斉藤あかりは、両親と3人で暮らしている。

 

仲のいい同級生の星進は、クラシックギターを学んでいる素直な子だ。

 

「あっち向いてホイ」では、いつもあかりが勝っている。

 

あかねの誕生日。

 

いつも忙しい外科医の父・祐市は、この日もパーティーに間に合わず、遅くに帰宅した。

 

寂しいあかりは、犬を飼いたかったのだが、祐市は犬が苦手だった。

 

ある日、あかりが学校から帰ると、家に母がいなかった。

 

あかりが出しっぱなしの洗濯物を取り込んでいると、庭に子犬がいた。

 

子犬を捕まえようと追いかけているとき、電話が鳴った。

 

それは父からで、母・芙美子が倒れて病院に運ばれたのだった。

 

母は、長く入院することになった。

 

しばらくして、この前の子犬が再び現れた。

 

今度は捕まえることができ、あかりは子犬を母のところに連れていった。

 

母は、子犬の足が靴下を履いているように白かったので、ソックスと名付けた。

 

そして、犬を飼うにあたって、犬の立場に立って10の約束を聞かせた。

  • 私の話をがまん強く聞いてくださいね
  • 私を信じて 私はいつもあなたの味方です
  • 私とたくさん遊んで
  • 私にも心があることを忘れないで
  • ケンカはやめようね 本気になったら私が勝っちゃうよ
  • 言うことを聞かないときは理由があります
  • あなたには学校もあるし友達もいるよね でも私にはあなたしかいません
  • 私が年をとっても仲良くしてください
  • 私は十年くらいしか生きられません だから一緒にいる時間を大切にしようね
  • あなたとすごした時間を忘れません 私が死ぬ時 おねがいします そばにいてね

最後の一つは、母が自分のことを言っているようで、あかりは辛かった。

 

母は、一旦退院したものの、再入院し、亡くなった。

 

祐市が、札幌の病院に栄転することになった。

 

家が見つかるまで、職員寮で暮らすのだが、そこではペットが飼えない。

 

ソックスは、進が預かることになった。

 

 

この作品は、冒頭の告白からラストがわかっていて、それゆえに余計に切ない時間を過ごすことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異人たちとの夏 

風間杜夫主演、日本の映画である。

 

原田英雄は、40歳のシナリオライターだ。

 

テレビ局の間宮一郎とは、気が合い、仕事が楽しい。

 

英雄は妻と息子がいたが、今は離婚して、マンションの六階で一人暮らしだ。

 

ある日、間宮から、別れた妻・綾子と付き合いたいと言われた。

 

間宮は思い詰めたように話したのだが、英雄はあっさり認めた。

 

間宮が帰ると、若い女性が訪ねてきた。

 

三階に住んでいると言う彼女は、酔っていて、飲みかけのシャンパンを持っていた。

 

英雄は、一緒に飲みたいと言う彼女の申し出を丁重に断って、追い払った。

 

テレビのロケ現場の下見に出かけた英雄は、地下鉄の線路でスタッフとはぐれた。

 

一人で外に出た彼は、気晴らしのために浅草に向かった。

 

浅草は、彼の生まれ育ったところだ。

 

彼は、寄席に立ち寄った。

 

舞台に向かって声をかけている男がいた。

 

懐かしさを覚えた英雄は、そばに寄って男の顔を見ると、若い頃の父親だった。

 

演目が終わると、父は英雄を外に呼び出した。

 

そして、家に連れていった。

 

家には、母がいた。

 

英雄の両親は、彼が12歳の時に事故で亡くなっていた。

 

二人は暖かく英雄を迎え、もてなした。

 

翌朝、元妻から英雄の荷物が送られてきた。

 

中には両親の位牌と写真も入っていた。

 

その夜、先日やってきた三階に住んでいると言う女性から電話があった。

 

機嫌の良かった英雄は、一緒に飲みましょうと、彼女を部屋に誘った。

 

彼女は藤野桂という名で、ケイと呼んでほしいと言う。

 

酔った二人は、ベッドをともにした。

 

翌日、英雄は両親を訪ねた。

 

母が一人でいて、アイスクリームを作っていた。

 

寿司職人である父は、今日は早出の仕事ということで不在だった。

 

 

この作品は、ファンタジックなホラーである。

 

風間杜夫の演技が素晴らしく、どんどん引き込まれていく。

 

父親役の片岡鶴太郎も、とてもいい雰囲気だ。

 

洋画のホラーみたいなラスト以外は、とてもいい作品である。

 

 

 

 

すずめの戸締まり

日本のアニメーション映画である。

 

夜の草原。

 

幼い女の子が、母親を探しながら歩いている。

 

その時、一人の女性が女の子に話しかけてきたところで、岩戸鈴芽は目覚めた。

 

2023年、鈴芽は17歳、高校生だ。

 

東日本大震災で母親を亡くし、叔母の岩戸環に引き取られて、宮崎県で暮らしている。

 

鈴芽は、自転車通学だ。

 

ある朝、坂道を降っている途中、長髪のイケメン青年とすれ違った。

 

青年は彼女に、このあたりに廃墟はないかと尋ねた。

 

山上に廃れた温泉街があったので、鈴芽は教えてあげた。

 

青年は、扉を探していると言った。

 

鈴芽は、しばらくしてから気になって、温泉街に向かった。

 

そこに廃墟はあったが、彼はおらず、水が溜まった広場の真ん中に扉が立っていた。

 

鈴芽が扉を開けると、夢で見た星空と草原が広がっていた。

 

彼女は扉を潜ったが、そこには行けず、ただ反対側に出ただけだった。

 

反対側から見た扉の向こう側にも、同じように星空と草原があった。

 

鈴芽は足元にあった石に躓きそうになった。

 

彼女がそれを持ち上げると、突然それは猫に変わった。

 

そして、どこかへ走っていった。

 

その後、鈴芽が登校したのは昼前だった。

 

友達と一緒に弁当を食べようとした時、山から赤黒い煙のようなものが立ち上るのが見えた。

 

廃墟の辺りだ。

 

ところが、それが見えるのは鈴芽だけだった。

 

突然、みんなのスマホが鳴った。

 

緊急地震速報だ。

 

鈴芽は、廃墟に向かった。

 

赤黒い煙のようものは、あの扉から出ていて、青年が必死に閉めようとしていた。

 

 

この作品は重い。

 

シナリオがよく練られていて、引き込まれる。

 

 

 

 

日本統一43

本宮泰風主演、日本の映画である。

 

茨城のビルを手に入れるため、氷室と田村は、迫田組の岩尾を出し抜いた。

 

二人が岩尾と会っている間に、大成らが2億円を振り込みに銀行に向かっていたのだ。

 

ところが岩尾は、それを見抜いていて、子分らに待ち伏せさせていた。

 

大成らが乗った車が、銃撃された。

 

岩尾の不敵な笑みで事情を察した氷室らは、現場に急いだ。

 

なんとか間に合って、大成らも2億円も無事だったが、ビルは地面師の内野の手に渡ってしまった。

 

内野と岩尾が繋がっていると見た氷室は、丸神会理事長の沖田に電話して、探りを入れた。

 

丸神会の三田会長は、氷室とは正々堂々とやり合うと約束していたので、それを守りたかった。

 

迫田組組長の迫田も、氷室とは正面からやり合うことを望んでいた。

 

三田は、ビルを返すように命じた。

 

 

この作品は、前回の続きで、駆け引きが主になっいる。

 

 

 

 

夢千代日記

吉永小百合主演、日本の映画である。

 

兵庫県湯村温泉で置き屋「はる家」を営む夢千代こと永井佐千子は、神戸の病院で白血病と診断され、余命半年を宣告された。

 

夢千代は原爆の被爆者で、ついに、恐れていたことが起きたのだった。

 

帰りの列車が鉄橋に差し掛かった時、彼女は窓の外に、手を合わせて落ちていく女性を見た。

 

後ろの席に座っていた旅芸人一座の宗方勝も、それを目撃していた。

 

夢千代が車掌を呼びに行っている間に、宗方は姿を消した。

 

警察が捜査したところ、河原で女性の死体が見つかった。

 

彼女は孕っていて、相手の男性・石田が殺人容疑で逮捕された。

 

夢千夜は、手を合わせていたのだから自殺だと信じていた。

 

石田の嫌疑を晴らすために、もう一人の目撃者である宗方を訪ねた。

 

宗方は、温泉劇場の舞台に出ていた。

 

彼は、見ていないと言い、夢千代を避けた。

 

担当の藤森刑事が、石田が殺害を自供したと言ってきた。

 

夢千夜は、もう一度、宗方を訪ねて行った。

 

ところが熱を出して倒れてしまった。

 

宗方は、夢千代を背負って、はる家に連れ帰った。

 

 

この作品は、吉永小百合の儚い美しさが際立っている。

 

主人公だけでなく周囲の人々が、それぞれ重い事情を抱えていて、暗い映画だ。

 

60歳のラブレター

中村雅俊主演、日本の映画である。

 

大手建設会社重役の橘孝平は、定年を迎え退職した。

 

会社からは残るように説得されたが、彼は新たな人生を歩む決心をしていた。

 

彼は、元々画家になりたかったのだが、堅実に就職し、上司の娘ちひろと結婚、一人娘を授かったが、ひたすら仕事の日々だった。

 

退社後、彼は愛人のマンショに寄ってから帰宅した。

 

これから愛人の経営するベンチャー企業の共同経営者になるのだ。

 

自宅には、出産間近の娘マキが、同棲中の八木沼等を連れてきていた。

 

孝平とマキは関係がぎくしゃくしていて、すぐに喧嘩になり、マキは席を立った。

 

孝平とちひろは、帰ろうとする二人に、離婚することを告げた。

 

翻訳家の長谷部麗子は、医学用語の翻訳を医師の佐伯静夫に手伝ってもらっていた。

 

独身の麗子は、真面目な静夫に惹かれて行った。

 

静夫は5年前に妻を亡くし、娘の理花と二人暮らしだ。

 

離婚したちひろは、麗子の家政婦として働くことになった。

 

料理上手なちひろを気に入った麗子は、作家の友人・麻生圭一郎の出版記念パーティーに、ちひろを連れて行った。

 

美しく着飾ったちひろを、圭一郎は気に入った。

 

ちひろが利用している魚屋の主人・松山正彦は糖尿ぎみで、佐伯医師に診てもらっている。

 

妻の光江は、渋る正彦にハッパをかけながらウォーキングに連れ出す毎日だ。

 

 

この作品は、三組のカップルのすったもんだの出来事を扱っているだけのもの。

 

さりげない伏線がうまく回収されているのは、見事だ。

ドラゴン・キングダム

ジャッキー・チェンジェット・リー共演、中国、アメリカ合作の映画である。

 

カンフーマニアの少年ジェイソン・トリピカティスは、天空で金の棒を持って戦う武人の夢を見た。

 

彼は、行きつけの質屋にカンフー映画のDVDを探しに行った。

 

そこに、夢で見た金の棒を見つけた。

 

店主のオールド・ホップは、代々その棒を引き継いで、本当の持ち主を探しているという。

 

DVDを手に入れたジェイソンは、帰り道に不良グループに絡まれ、脅された。

 

そして、強盗の手引きをさせられ、質屋に彼らを連れて行った。

 

リーダー格のルポが、店主を撃った。

 

重傷を負った店主はジェイソンに、「本当の持ち主に渡してくれ」と金の棒を託した。

 

屋上まで逃げたジェイソンは、不良たちに追い詰められ、ビルから落下した。

 

彼が気がつくと、そこは、見知らぬ山村で、言葉も通じない。

 

突然、馬に乗った兵士が大勢やってきて、女をさらい、男を殺し始めた。

 

ジェイソンは逃げたが、追いつかれて囲まれた。

 

そこに、酔っ払いが馬でやってきた。

 

その酔っ払いは、あっという間に数人の兵士を叩きのめし、ジェイソンを連れて逃げた。

 

彼はルー・ヤンといい、酔拳の達人だった。

 

博識の彼は。ジェイソンが持っている棒を知っていた。

 

店で酒を飲みながら彼は、孫悟空と如意棒の伝説を話した。

 

その如意棒を奪いに、大勢の兵隊が襲いかかってきた。

 

 

この作品の見所は、格闘シーンだ。

 

ジャッキー・チェンジェット・リーの闘いは、時間もたっぷりで、最高に楽しめる。

 

当然、ジャッキーの作品だから、ユーモラスなシーンも多い。