captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

武士の家計簿

堺雅人主演、時代劇映画である。

 

加賀藩の御算用者・猪山直之は、実直な青年だ。

 

真面目、堅物、そろばん馬鹿である。

 

直之は、お駒を娶り長男・直吉が誕生する。

 

直之は、米の不正を調べたことで、上司から左遷を言い渡された。

 

しかし、事件が明るみに出て、彼の実直さが認められ、藩主の側近として引き立てられた。

 

異例の出世はしたものの、家計は火の車。

 

家財道具を売り払い、家計簿を付けることにした。

 

二人目の子供が生まれ、「貧しいながらも、明るい我が家」 である。

 

堺雅人は、この役にピッタリはまっている。

 

物語は静かに進み、派手な演出はない。

 

また、下手に笑いを取りに行くこともない、清々しい作品だ。

ミックス。

新垣結衣主演、日本の映画である。

 

主人公・多満子は28歳、渚テクノロジーでOLをしていた。

 

失恋の挙げ句、酒をがぶ飲みして田舎に帰る。

 

帰りの列車の中、女子高生に近づく男を不審に思い、中に割って入ろうとして男に吐瀉してしまった。

 

時間が戻る。

 

幼少期、母親が経営する「フラワー卓球クラブ」 で、多満子はスバルタ教育を受けていた。

 

しかし、上達せず叱られてばかりだ。

 

中学に入った頃、鬼コーチだった母が亡くなり、彼女は解放された。

 

ある日、幼い頃に出逢った卓球少年・江島が、彼女の会社に就職し卓球部に所属した。

 

多満子は、看板選手として活躍する江島と恋愛していた。

 

しかし翌年、卓球界のアイドル・小笠原愛莉が入社し、江島と混合ダブルスのペアを組む。

 

そして江島は、恋愛の相手も多満子から愛莉に乗り換えたのだった。

 

帰省した多満子は、幼なじみの弥生と再会し、「フラワー卓球クラブ」 で練習を始める。

 

そこには、登校拒否高校生・優馬、プチトマト農家の落合夫妻、そして電車で迷惑をかけた男・萩原がいた。

 

互いにペアを組んで、卓球の混合ダブルスに出場し、江島・小笠原ペアとの勝負を目指すという作品だ。

 

コミカルな演出を随所に挟むのは、飽きさせないようにとの意図か。

 

コメディではないので、いかにも取って付けたような中途半端さだ。

 

豪華な出演者に、滑稽な役をさせるのも、なんだか勿体ないような気がするが、それがサービスか。

 

リアリティが全く無いので、感情移入することも、のめり込むこともない作品だ。

 

予定調和の展開で、不満や怒りは残らない。

 

水戸黄門、みたいなものか。

 

予想していた通りに、終わる。

トゥルーマン・ショー

ジム・キャリー主演、アメリカの映画である。

 

主人公トゥルーマン・バーバンクは、明るい青年だ。

 

離島シーヘブンに住んでいて、保険会社に勤めている。

 

彼は、この島を出たことがない。

 

幼い頃、小さなボートで嵐に遭って父を亡くし、海を恐れていた。

 

ある朝、いつものように出勤しようとすると、上空から何かが落ちてきた。

 

近寄ると照明だった。

 

理解できないまま、車で出勤する。

 

ラジオからは、まるで今の出来事を知っているようなDJの口ぶりが・・・。

 

彼の夢は、フィジーへ行くことだ。

 

そんな話を、親友のマーロンにする。

 

ある日、出勤の途中、亡くなったはずの父やに出くわす。

 

どうしたわけか、周りの人が父を連れ去り、トゥルーマンが追いかけようとするのを邪魔するのだった。

 

この辺りから、周りの人々の言動に、疑問を持つようになる。

 

実のところ彼は、生まれたときから撮影され、生放送で世界中に配信されていたのだった。

 

妻も、友人も、父親さえも俳優なのだ。

 

前半は、退屈でつまらない。

 

よく考えれば、非常に恐ろしい内容である。

 

ジム・キャリーのコミカルな演技のお陰か、恐怖感は無いが。

 

この主人公とまでは行かないが、我々も、既に監視社会に生きているのだ。

 

無邪気にラインで何でも通信していると、いずれ痛い目に遭う。

おあついのがお好き

トニー・カーティスジャック・レモン主演、アメリカのコメディ映画である。

 

禁酒法時代のシカゴ。

 

ジョーとジェリーは、バンドマンだ。

 

ある日、2人はギャング同士の抗争を目撃して、命を狙われる。

 

2人は女装して、女ばかりの楽団に潜り込み、ほとぼりが冷めるまでフロリダで演奏することにした。

 

ボーカリストのシュガーが魅力的な女性で、ジョーは彼女に惚れてしまう。

 

シュガーは、金持ちに求婚されることを期待していた。

 

そこでジョーは、シェル石油の御曹司になりすまして、シュガーにアプローチする。

 

一方ジェリーは、大富豪に惚れられて、追いかけられることに。

 

そうこうしているところに、勢力拡大を図るシカゴのギャングが、フロリダにやってきた。

 

ジョーとジェリーは、彼らに正体がばれてしまう。

 

お気楽な展開の作品だ。

 

喜劇のお手本と言える。

 

シュガー役は、マリリン・モンローである。

 

今観ると、「モンローって、やっぱり可愛かったんだ。」 と思える。

 

 

阿弥陀堂だより

寺尾聰樋口可南子主演、日本の映画である。

 

上田孝夫は、売れない小説家だ。

 

妻の美智子は医師なのだが、パニック障害を患ったため、孝夫の故郷、長野県の谷中村に、夫婦で引っ越した来た。

 

この村にある阿弥陀堂は、96歳のおうめ婆さんが守っている。

 

夫婦は、おうめ婆さんに挨拶を済ませた後、村の歓迎会に出た。

 

美智子は、週三回、村の診療所を開き、孝夫は村人の手伝いをしながら、交流を深めていく。

 

ある日、孝夫は村の広報誌のコラム「阿弥陀堂だより」 に目を止めた。

 

おうめ婆さんの名前で、優しい文章が載せられていた。

 

おうめ婆さんを訪れた孝夫は、病気で声を失った少女・小百合と出会う。

 

小百合は、おうめ婆さんの話を文章にして、「阿弥陀堂だより」 として寄稿していた。

 

こんな具合に、たんたんと物語が進んでいく。

 

中学校の講堂で観させられた教育映画みたいな作品だ。

 

北アルプスが、美しい。

 

盛り上がる場面が全く無い映画だが、なぜか、心に残る。

 

このように穏やかに過ぎる時間を、心の底で求めているのだろう。

カールじいさんの空飛ぶ家

アメリカの、アニメーション映画である。

 

78歳のカールじいさんは、一軒家に一人で暮らしている。

 

開発のため立ち退きを迫られているが、頑なに拒否していた。

 

少年の頃、カールは冒険にあこがれていた。

 

空き家で、少女エリーと出逢う。

 

二人の夢は、憧れの冒険家チャールズ・マンツが消息を絶ったパラダイス・フォールへ行くことだった。

 

やがて二人は結婚し、この空き家に住み始める。

 

二人の間に子供は授からなかったが、幸せな日々だった。

 

そして、やっと夢が叶うという時に、エリーが病に倒れ亡くなってしまう。

 

エリーとの思い出が詰まったこの家を、カールは離したくなかったのだ。

 

しかし、業者に怪我をさせてしまい、立ち退かざる得なくなってしまった。

 

カールは、大量の風船を家に取り付けて、空に飛び上がった。

 

そのまま、一人でパラダイス・フォールへ飛んでいくのだ。

 

ところが、ラッセルという名の少年が、一緒に乗ってしまっていたのだ。

 

引き返すわけに行かないので、そのまま、飛んでいくことに。

 

二人の冒険が始まる。

 

亡き妻を偲ぶ回想シーンは、泣ける。

 

自分の身に置き換えて、考えてしまうのだ。

 

 

 

 

崖っぷちの男

アメリカの映画である。

 

ニューヨークのホテル、部屋をきれいにした男が窓際に立っている。

 

通行人がそれを見つけて、飛び降り自殺だと大騒ぎだ。

 

男の名前はニック・キャッシディ、元刑事である。

 

ウォーカーという偽名で、チェックインしていた。

 

ニックは4000万ドルのダイヤを盗んだとして、逮捕され服役していた。

 

服役中に彼の父が亡くなり、彼は、葬儀に参列することを許される。

 

葬儀の最中、彼は弟ジョーイと殴り合いの喧嘩を始め、混乱に乗じて逃走した。

 

通報を受けホテルに駆けつけたマーカス刑事が、自殺を思いとどまるよう説得を始める。

 

しかし、ニックは、交渉相手にリディア・マーサー刑事を指名した。

 

マーカスはリディアに説得を任せて、室内を調べるが、指紋は拭き取られていて、身元を割り出すものもなかった。

 

その頃、ニックの無線機に連絡が入った。

 

弟のジョーイとその恋人マリアが、向かいのビルへの潜入に成功したのだった。

 

ニックは、彼らをビルに潜入させるために、騒ぎを起こして、衆人の関心をこちらに向けさせていたのだった。

 

向かいのビルには、ニックが盗んだとされるダイヤの持ち主イングランダーの事務所がある。

 

濡れ衣を晴らすために、弟たちを忍び込ませたのだった。

 

ハラハラドキドキの展開が、最初から最後まで続く。

 

観終わったあとの疲労感が、心地よい。