captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

ニューヨーク1997

アメリカの、SF映画である。

 

1988年、アメリカ合衆国はニューヨーク・マンハッタン島をコンクリート壁で囲み、巨大な刑務所とした。

 

食料はヘリによって投下され、中では囚人達の自治が認められていた。

 

ただし、脱獄者は容赦なく射殺された。

 

1997年、大統領が乗ったエアホースワンが、マンハッタン島に墜落した。

 

大統領はポッドで脱出した。

 

直ちに救出部隊が賭けつけたが、大統領は囚人達に拉致された後だった。

 

所長のホークは、護送されてきたばかりのスネーク・ブリスキンに、恩赦と引き替えに大統領救出を依頼した。

 

スネークは、元特殊部隊の英雄だが、今は大犯罪者として名高い。

 

彼は、頸動脈に時限爆弾を仕掛けられた上で、武器と通信機を持って、マンハッタンに侵入した。

 

彼は、かつての仲間であり、彼を裏切ったブレインと再会する。

 

荒唐無稽な作品だが、楽しめる。

 

主人公は英雄なのだが、そんなに強くないから、感情移入しやすい。

 

痛みが伝わってくるのだ。

 

あちこちにアラが目立って、予算が少なかったのだろうと推測される。

 

 

嘆きのテレーズ

フランス・イタリア合作の映画である。

 

原作は、エミール・ゾラの「テレーズ・ラカン」だ。

 

主人公テレーズは、リヨンで夫と姑の三人で暮らしている。

 

カミーユと姑は、テレーズを家政婦のようにこき使い、テレーズも従順な嫁だった。

 

ある日、カミーユは、駅で知り合ったトラック運転手ローランを連れてきた。

 

病弱な夫と違って逞しいローランに、テレーズは惹かれる

 

逢い引きを重ねるが、ローランは、こそこそするのがいやだった。

 

テレーズは、夫に離婚を申し出だ。

 

カミーユは、泣いて懇願し、離婚させてくれない。

 

しかし、テレーズの決心は固かった。

 

カミーユは、パリの親戚の家にテレーズを監禁することにした。

 

彼女を騙して、列車に乗せる。

 

不審に思ったローランも、その列車に乗り込んでいた。

 

こっそり、会う二人。

 

そこにカミーユが出くわし、喧嘩になる。

 

そして、カミーユが、失踪する列車から落ちた。

 

目撃者はいない。

 

警察は事故として処理をしたが、テレーズは、最後のカミーユの顔が、頭から離れなかった。

 

物語は、この後意外な展開となる。

 

原作を読んで、ストーリーが分かっていても、引き込まれる作品だ。

バッド・ガールズ

女性を主人公にした、アメリカの西部劇である。

 

コーディ、アニータ、アイリーン、リリーは、コロラド州の町で売春婦をしていた。

 

ある日、アニータに暴行する客を、コーディが射殺した。

 

彼女は縛り首になる。

 

処刑直前、アニータ、アイリーン、リリーの三人が乱入して、コーディを救出した。

 

アニータの亡き夫が残した土地で、四人は製材所を開くことにした。

 

途中、ジョシュという探鉱者が接近してきて、「ピンカートン探偵社が、お前達を探している」 と、忠告してくれた。

 

コーディは、銀行に預けてある12000ドルを、下ろしに行く。

 

そこで、ピンカートンに見付かってしまった。

 

しかしその時、銀行強盗が発生する。

 

金を奪って逃げたのは、コーディのかつての愛人キッドだった。

 

アイリーンが捕まってしまったが、コーディはキッドを追う。

 

金を取り戻し、アイリーン救出の手助けをしてもらうためだ。

 

ところがキッドは、自分を捨てたコーディを怨んでいた。

 

キッドはコーディを痛めつけ、荒野に放り出す。

 

ストーリーが単純で、善悪が分かりやすい。

 

しかし、リアリティが乏しい。

 

当時の重い拳銃を、女性が、あんなに軽々扱えるのか。

 

出てくる男達も、だらしない。

 

 

 

 

むこうぶち 高レート裏麻雀列伝

袴田吉彦主演、日本の映画である。

 

バブル期の日本では、皆、金銭感覚がおかしくなった。

 

賭け麻雀においても、レートが上がり、一晩で数百万円稼ぐものもいた。

 

高レートの賭け麻雀は、マンションの一室で行われる。

 

プロ雀士で、引退してから義父から継いだ町工場を経営している男が、この日も大勝ちしていた。

 

下町の工場は、地上げの対象になっていて、毎日のように不動産屋がやってくる。

 

そして、破格の提示をするのだった。

 

そういう時代だ。

 

「傀 ( かい ) 」と呼ばれる男がいた。

 

傀は、強い。

 

プロ雀士の安永でさえ、歯が立たなかった。

 

 

この作品は、麻雀のシーンが大部分を占める。

 

ひたすら麻雀をやっている。

 

主人公の傀は、ほとんど話さない。

 

「御無礼」が決め台詞だ。

 

以後シリーズ化された。

ピクセル

アメリカのSFコメディ映画である。

 

1982年、アーケードゲームの世界大会が開かれた。

 

この大会や他の文化などの映像を、NASAが宇宙に発信した。

 

2015年。

 

かつて世界大会の「ギャラガ」 で優勝したものの、「ドンキーコング」 でエディに負けたサム・ブレナーは、電気屋さんで働いていた。

 

妻を医者に寝取られ、冴えない中年男である。

 

サムの幼なじみウィル・クーパーは、合衆国大統領になっていた。

 

しかし、史上最低の大統領として、評判が悪い。

 

ある日、グアム島アンダーセン空軍基地が、ピクセルに分解して壊滅した。

 

ギャラガ」 に似ていると感じた、元ゲーム好きのクーパー大統領は、幼なじみのサムを呼び出した。

 

しかし、軍部は彼の言うことを聞かず、追い払われてしまう。

 

帰り道、親友ラドローに会ったサムは、この事件は異星人「ヴァルーラ人」 の仕業だと言われた。

 

異星人は、NASAの映像を宣戦布告だと受け取って、地球を攻撃してきたのだった。

 

さらに、インドのタージ・マハルが、「アルカノイド」 のキャラによって破壊された。

 

これは三本勝負であり、あと一回負ければ、地球は侵略される。

 

ロンドン。

 

サムとラドローは、「センティビード」 で勝利する。

 

次はニューヨーク。

 

彼らはかつてのライバル・エディを迎えて、「パックマン」 で、勝利した。

 

しかし、エディは不正をしていた。

 

これがばれて、人質を取られてしまう。

 

懐かしいゲームのキャラクターがたくさん出てきて、特に中年男性には楽しい作品だろう。

 

想定は、ハチャメチャで、素晴らしい。

 

邦画なら、ある程度の常識が入って、つまらなくなるところだ。

 

この作品は、何の拘りもなく、ぶっ飛んでいる。

 

「映画は、娯楽」 なのだ。

 

 

ドラえもん のび太の宝島

日本のアニメーション映画である。

 

友達にきいた「宝島」 の話に夢中になったのび太は、ドラえもんに「宝探し地図」 を出してもらう。

 

指し示したところは、日本の南、島のないところだ。

 

丁度その時、テレビのニュースで新島出現の速報が出た。

 

のび太達は、ドラえもんが出した帆船で島に向かう。

 

島に近づくと、海賊達に襲われ、しずかちゃんが掠われてしまった。

 

ドラえもんは、漂流していた少年フロックを救出する。

 

フロックの話では、島は巨大な潜水艦で、移動しているという。

 

一行は、潜水艦を追う。

 

脚本が完全な手抜きだ。

 

面白い作品とは、主人公や重要な登場人物が、度重なる危機に追い込まれなければならない。

 

ポイント・オブ・ノー・リターン直前まで追い込まれてから、危機を脱出する。

 

この作品では、いつでも帰れる安全地帯を、うろついているだけだ。

 

そして、問題の解決は全て、「アトセツ」 による。

 

実は~だったのだ、と。

 

真剣に脚本を作る人は、アトセツを避けるために、随所に伏線を張る。

 

わざとらしくないよう、極めて自然に伏線を張れるかどうかが、腕の見せ所だ。

 

所詮、子供向け、この程度で良いだろう、という侮りが見て取れた。

 

 

孤独の暗殺者 スナイパー

フランスの映画である。

 

冒頭、覆面をした男が、家族の前で夫を射殺する。

 

この男は、主人公ではない。

 

主人公ヴァンサンは、普通のビジネスマンだ。

 

妻と幼い娘の三人で暮らしている。

 

彼の趣味は射撃で、フランス代表になれるほどの腕前だ。

 

彼は、問題を抱えていた。

 

妻が家を新築したがって、建て始めたものの、資金が底をついた。

 

また、彼の父親が病気になり、引き取って一緒に暮らすことになった。

 

ところが、この父親が家族に馴染めない。

 

やがて耐えきれなくなった妻が、家を出て妹夫婦の元に行ってしまった。

 

そんなある日、ルノーという男がヴァンサンに近づいてきた。

 

そして、狙撃による暗殺を持ちかける。

 

彼は、それを引き受け、最初の暗殺に成功した。

 

多額の謝礼を受け取る。

 

ヴァンサンは、女性をターゲットにした暗殺に失敗した。

 

その代償として、建設中の家を焼かれてしまう。

 

次は貴様の命だ、家族の前で殺されるのだと、ルノーに脅され、次の仕事を引き受けた。

 

冒頭の暗殺シーンでアクション映画への期待が高まるが、その後は、退屈なシーンが40分ほど続く。

 

また、ごく普通の男が、金のためにあっさり人を殺せるのだろうかと、日本人なら考えるだろう。

 

しかし、これは、民族性の違いだ。

 

フランス国歌の歌詞を見れば、そんなことくらい当たり前にするだろうと、納得できる。

 

ラストは、なんだか中途半端だ。

 

観客に、この後の展開を予想させるための演出なのだろうか。

 

スッキリしない。