captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

地球へ2千万マイル

アメリカの、古いSF映画である。

 

ある日、イタリアの海にアメリカの金星探査機が墜落した。

 

乗員の一人は死亡したが、一人は助かった。

 

彼らは、金星から生物の卵を持ち帰っていた。

 

そうとは知らず、地元の少年が拾ってきた。

 

じきに孵化して、みるみる成長する。

 

トカゲと人間を合わせたような怪獣だ。

 

人々は、動物園で見世物にしようとする。

 

おとなしかった金星生物は、人から危害を加えられる度に、狂暴になっていく。

 

動物園では像と戦い、最後はコロッセオで軍隊と戦う。

 

この怪物は、他の怪獣映画のように、最初から暴れ回ったりしない。

 

危害を加えられたら、それに対して、身を守るために戦うだけだ。

 

それが、何だか悲しい。

 

人よりも怪物に対して、思い入れをしてしまう作品である。

 

 

プラダを着た悪魔

アン・ハサウェイメリル・ストリープ主演、アメリカの映画である。

 

一流大学を卒業したアンドレア ( アン・ハサウェイ ) は、ジャーナリストになる夢を実現させるために、ニューヨークに出てきた。

 

しかし、訪れたのはファッション誌の編集部である。

 

流行を作ると言われている、超一流ファッション誌だ。

 

もちろん社員は皆、流行の最先端を行く、お洒落をしている。

 

ところがアンドレアは、田舎から出てきたばかりで、実に野暮ったい。

 

そこへ、編集長ミランダ ( メリル・ストリープ ) が出社してくる。

 

完璧なファッションで。

 

アンドレアは、面接であっさり落とされるが、ミランダが思い直して採用された。

 

ここから、サクセスストーリーが始まる。

 

無理難題の数々を押しつけるミランダ。

 

失敗して、悔し涙を流すアンドレア。

 

時が過ぎるにつれ、アンドレアは強く、美しくなっていく。

 

最初は完璧に見えたミランダも、私生活では完璧ではない。

 

裏側を描くことで、人物に厚みを持たせている。

 

ラストシーンも、素晴しい。

 

観終わった後、満足感に満たされる作品である。

 

男性なら、ブルース・リーの作品や「ロッキー」だろうか。

 

 

野菊の墓

松田聖子主演の邦画である。

 

伊藤左千夫の名作を映画化したものだが、当然の如く、原作を超えていない。

 

17歳の民子は、幼い頃母親を亡くし、時々伯母の家に手伝いに来ていた。

 

そこには2歳年下の従弟・政夫がいる。

 

政夫は、春から家を出て、少し離れた中学校に通うことになっている。

 

これは民子と、政夫の恋物語だ。

 

といっても、激しいラブ・シーンは無い。 

 

原作の方が、圧倒的に素晴しい。

 

この映画は、松田聖子のための映画である。

 

松田聖子ファンでない人が、お金を出して映画館で観たなら、「金返せ」と怒鳴りたくなるだろう。

 

台詞は棒読みである。

 

ただ、ラストシーンで、伯母役の加藤治子は、良かった。

31年目の夫婦げんか

メリル・ストリープトミー・リー・ジョーンズ主演、アメリカの映画である。

 

ケイとアーノルドは、結婚して31年。

 

子供達が独立して家を去り、ケイは日常生活に不満だ。

 

アーノルドは仕事人間で、毎日ルーティーン通りであればそれで良い。

 

ある日、ケイは夫婦のカウンセリングを申し込んだ。

 

遠く離れたメイン州の田舎町で、一週間のコースである。

 

アーノルドは反対しながらも、しぶしぶ、ついていく。

 

カウンセラーは、性生活にまで突っ込んだ質問をするので、アーノルドの機嫌は悪くなる一方だ。

 

カウンセラーの言う通りに「エクササイズ」に挑戦するが、上手くいかない。

 

夫婦の仲は、こじれていくばかりだ。

 

この手の作品は、コメディになりがちなのだが、この作品はシリアスである。

 

夫婦間に、駆け引きはない。

 

アーノルドも心の底ではケイを求めているのだが、上手く表現できない。

 

このあたりのもどかしさが、実に良い。

 

倦怠期にある夫婦には、参考になる映画かも知れない。

サバイバー

ミラ・ジョヴォビッチ主演、アメリカ・イギリス合作の映画である。

 

主人公ケイト・アボットは、ロンドンにあるアメリカ大使館に勤める外交官だ。

 

アメリカにテロリストが渡らないようにするのが、主な任務である。

 

ある日、アメリカの医学会に出席するとして、男がビザの申請に来た。

 

ケイトは、心に引っかかりを覚え、彼を調査するが、イギリス当局から咎められる。

 

その時点でケイトは、テロリストであり殺し屋でもある「時計屋」に狙われることになった。

 

テロリストは、ケイトと同僚達が入ったレストランを爆破する。

 

ケイトは、向かいのギフトショップにいたため命は助かったが、テロの容疑者として追われることになった。

 

テロリストの目的は、新年を迎えた瞬間に、ニューヨークで爆破テロを起こすことだ。

 

最初に不審に思った男は、ガスの専門家である。

 

この男が調合したガスを、テロリストが遠距離射撃で爆破させる計画だ。

 

ケイトはロンドン警察や、「時計屋」に追われながら、テロ阻止に奔走する。

 

ミラ・ジョヴォビッチは、「バイオハザード」シリーズの時ほど、格好良くない。

 

アクションシーンも少なく、中途半端だ。

ロッキーⅢ

シルベスタ・スタローン主演、アメリカの映画である。

 

この作品は、ロッキーシリーズ最高峰だ。

 

アポロに勝って世界チャンピオンになったロッキーは、トレーナーのミッキーが上手くマッチメイクした御陰で、連戦連勝。

 

栄光の頂点にいた。

 

周囲からちやほやされ、トレーニングも手を抜いている。

 

プロレスラー ( ハルク・ホーガン ) とのエキシビションマッチをしたり、コマーシャルに出たり、大人気だ。

 

金も、地位も、栄誉も得て、豪邸に住み、ボクサーとして一番必要な「ストイックさ」をなくしていた。

 

そこへ現れたのが、クラバー・ラングである。

 

連戦連勝でランキングを上げていき、ついに、タイトルマッチを申し込むまでに至った。

 

試合をすればロッキーが負けることを、ミッキーには分かっていた。

 

今までの対戦相手は、格下の弱い者ばかりだった上に、最近のロッキーの生活を熟知していたからだ。

 

しかし、ロッキーには分からない。

 

ミッキーの忠告を無視し、試合を受け入れる。

 

試合直前、ミッキーは心臓発作で倒れた。

 

ロッキーは、敗れる。

 

しかしロッキーは、ここから、這い上がっていくのだ。

 

「ロッキーのテーマ」に乗って、トレーニングの様子が映し出される。

 

観る者は、皆、元気が湧き上がってくるシーンだ。

 

試合よりも、トレーニングシーンが心を躍らせる。

 

何度も観たくなるのだ。

 

元気が出ない時は、「ロッキーⅢ」が一番である。

 

この作品で、スタローンは脂肪を削ぎ落として、「ランボー」 の身体になっている。

揺れる大地

古いイタリア映画である。

 

シチリア島に暮らす漁民一家を描いたもので、全編シチリア島で撮影されている。

 

出演者が全員、シチリア島の住民であり、俳優ではない。

 

イタリア語やシチリア方言が分かる人には、台詞が下手だという印象があるだろう。

 

字幕で見る限り、違和感はない。

 

生活がそのまま出ているので、返ってリアリティのある作品になっている。

 

物語は、搾取されている漁民の青年ウントーニが、仲買人と喧嘩したことが切っ掛けで、独立する所から始まる。

 

そして、借金をして鰯の加工工場を始めた。

 

所が嵐の日に漁に出掛け、船も漁具も失ってしまう。

 

鰯は、仲買人に安値で買いたたかる。

 

抵当に入っていた家は、銀行に取られてしまう。

 

恋人は去ってしまう。

 

弟は、密売人に。

 

祖父は入院。

 

ウントーニは、酒に溺れるしかなかった。

 

しかし、ここから立ち直っていくのだ。

 

どん底に落ちても、希望があれば這い上がることが出来る。

 

第二次大戦で大敗して3年後の作品である。

 

イタリア人への、復興の励ましのメッセージだ。